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「そうか、それならよかった！僕は曲のことはよくわからないから、後はお任せしても良いかな？」
「えっ、あ、はい、大丈夫です。」
も、もしかして監督さんいなくなっちゃうの？
俺たちだけで普通に話せる？
ナムジュニヒョンは大丈夫なんて言ったけれど、無理だと思うよ、少なくとも俺は。
『また完成次第ご連絡しますね。』
「うん、そうしてもらえると助かるよ。
じゃあ僕はこれで！会議室を出る時は受付のスタッフに声を掛けてね。」
監督さんを縋り付くような目で見つめるけれど、気付いてもらえず無情にもバタンと扉の奥に消えていった。
ここには俺たち7人と、SUIさんとお互いのマネージャーさんしかいない。
何か話しかけなければいけないと思うけれど、何も思い浮かばず白目を剥きそうだった。
そんな時彼女は恐る恐るという様子で話しかけてくれた。
『本当にお久しぶりですね、元気そうで良かったです。』
「あっいえはい、SUIさんこそ元気そうで何よりです、」
ナムジュニヒョンがなんとか爽やかに言葉を交わすも、いつものヒョンとは思えないくらいテンパっている。
この人こういうとこあるよね。
と、俺たちが何も言えずにいると、
「…あの、俺ARCANAの大ファンだったんです！以前会った時は緊張して伝えられなかったんですけど、」
片手をピシッと挙げて、えへへっと笑うテヒョンイヒョン。
誰が見ても愛され力抜群のヒョンのおかげで場の空気が一気に和やかになった。
やっぱりコミュ力お化けは凄い。
「あっ、えっと僕も大ファンです！！」
ジニヒョンも後に続いて、あの曲が好きだとかどれどれのMVが良かったですとか、2人で熱弁している。
えっ俺もその輪に入れて欲しいんですけど…？
なんて思うけれど自ら入りにいく度胸はなかった。
『わぁそうなんですか！
嬉しいです、ありがとうございます！
私も今回BTSさんとご一緒出来ると聞いて楽しみにしてたんです。よろしくお願いしますね！』
「はい、こちらこそよろしくお願いします。」
心底嬉しそうに満面の笑みを浮かべる彼女に、シュガヒョンは何てことないように返事をした。
まじ？すごいね、ヒョン、
と、シュガヒョンを見つめると、俺の視線に気がついたのかこちらを見てニヤリと笑った。
勝者の笑みである。
単純にめちゃめちゃ悔しかった。
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作者名：をーみん | 作成日時：2021年5月4日 23時
