風紀委員長のわんこですが (ページ14)

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13匹目　戦わなければ生き残れない!⑥ ページ14

「！！コーちゃん！」

ドスッッ

庇って蹴りをくらったとげとげと巻き込まれたでこ出しが一緒にふっとばされる。

「いってぇー！突然何すんだ、て…め……」

『……！』

黒いスラックス、たなびく学ラン、風紀の腕章――

「雲雀……恭弥…………！」

「自ら此処(ゴミ捨て場)に来てくれるなんて、手間が省けたよ」

ズボンについた砂を払いながら優雅に立ち上がる委員長。

「よっしー、おい！大丈夫か、やべーって、なあ、おい、逃げるぞ」

とげとげを抱きかかえて叫んだ。

「コー……ちゃん……逃げろ…………」

「何言ってんだ、できるわけないだろ！？ほら、立てよよっしー！」

腕の中、とげとげはかすれた声で振り絞るように言ったが、でこ出しは涙を流しながら拒否した。

とげとげの腕を掴んで立たせようとするも、自分より身体の大きい相手を抱えて、まして委員長から逃げるなど絶望的だった。

「はぁ……はぁ……もう、戦うしか………」

でこ出しは意を決して、拳を強く握りしめ立ち上が――

ゴキッ

「ぐッ！？」

ろうとしたが、強烈な一撃によって吹っ飛ばされてしまう。

「長いんだけど」

委員長は心底興味なさそうに2人を見下ろしていた。

ドスッ

バキッ

……容赦のない攻撃が童顔に降り注ぐ。

『い、いいんちょ』

一方的すぎる"喧嘩"を、さすがに人として止めなければと声をあげたが

「うおおおおおおおおお！雲雀ぃぃぃ！！」

勢いよく飛び出していったとげとげに阻まれてしまった。

彼の手には隠し持っていたのか金属バットが握られている。最後の力を振り絞り、親友を助けに行ったのだ。

この奇襲は委員長も避けきれないか……

ゴンッ

あたりに鈍い音が響いた。