風紀委員長のわんこですが (ページ12)

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11匹目　戦わなければ生き残れない!④ ページ12

『う、うそ…』

廊下の端っこにある消火栓の中にあるボタンを押すと、それまでただの壁だった場所に扉があらわれる。

それがゆっくりと開く。中は間違いなくエレベーターだった。

「風紀委員専用なのだが…今はほとんど誰も使わないから、自由にしてくれ」

風紀委員、どれほどの権力を有しているの…

「1階に下りて校舎裏に行けば、それを捨てる場所はすぐにわかるだろう。俺は委員長のもとに戻る」

そう言って私に台車を渡す。私は促されるままにエレベーターに乗った。

『あの、』

1のボタンを押してから扉が閉まるまで変な間がある気がして、

『何から何まですみません、ありがとうございます』

先ほど言えなかったことを一気に言葉にして深く頭を下げた。

「気にするな。また何かあったら呼んでくれ」

優しい声に顔をあげると、いつもの厳格な表情からは想像できないようにやわらかな草壁さんがいる。心がじんわりと熱くなるのを感じた。