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家族 - 2 ページ27

??「武、おかえり!

かわいいお客さんだぞ」


「た、武!?

って、山本…えー!」


先ほどまで話していた男性と泥まみれの山本(部活帰りだろうか)の顔を交互に見る。

あの爽やかさへの既視感はそういうことか。


山本「お! Aじゃねーか!

なんだ? 寿司食いに来たのか?」


「うん!」


山父「武! さっさと風呂入れ!」


近づいてくる山本に、店を汚すな!と言わんばかりの山本父。

それほどこの店が大切ということだろう。


山本「あーい。 すぐ上がるからな」


息子のほうは慣れているようですんなりと風呂に向かった。


「山本さんのお父さん…?」


山父「おうよ! 武のダチだったのかい」


「はい。 武さんとは同じクラスで、転校初日から仲良くしていただいています」


山父「うちの武をよろしく頼んます」


深々と頭を下げた。


「そんなよろしくだなんて」


山父「武のダチってんならお代はもらえねぇな。 好きなだけ食べてってくれよ」


「いや、そういうわけには…」


断ろうとしたが、喋りながらぱっぱと手を動かして寿司を握っていく山本父に見惚れて言葉が途切れてしまう。 さすがプロだ。


山父「はいよ」


「これは…」


山父「今が旬の甘えびだ。 ちゃんと尻尾を取って醤油つけて食べるんだぜ」


皿の上には甘えびが。 薄桃色の身は小さいながらも弾力がありそうだ。

言われた通りの手順で、ゆっくり口に運ぶ。


「お、おいしい…!」


幸せだー!と顔を緩ませる。


山父「ははっそうかいそうかい。 握った甲斐があるよ」


山本「風呂上がったぜ

…ん、何食ってんだ?」


首にタオルをかけた山本が奥から出てくる。


「甘エビ! ぷりぷり! すごい! おいしい!」


Aの顔に咲いた花に、よく似た笑顔が2つ並んだ。

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作者名:波紋セラーノ | 作成日時:2020年4月26日 16時

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