どうしようもないくらい［作詞］

I hated(小説ver) ページ12

「別れよう」
たった一言それだけ告げては、握っていた手を振り払った。
嫌いになったとかそういうわけじゃなく、じゃあなんでと言われれば、君を嫌いになりたくなかったからとしか言えない。
泣いてくれると思っていたが、自分の思いとは裏腹に「そっか」なんていって、僕に振り払われた手を後ろへ隠した。
そんな出来事があってから早1ヶ月が経とうとしていた。
僕はいつもと変わらずに、寝不足な目を擦りながら授業をうける。
1番後ろから見る君の姿を眺めては、付き合っていた時の事を鮮明に思い出して、振り向いた彼女と目が合うのが怖くて、咄嗟に目をそらした。
授業中にシャーペンの先で机を叩く君の癖を見て、まだ直っていないのかなんてか思いながら、意味もなくシャー芯を出しては戻してを繰り返す。

授業終わりにいつものように仲間たちと弁当を食べては、トイレに行きたくなって1人で教室を出た。
遠くから近づいてくる二つの影が怖くて、それなのになんとなく目で追ってしまう。
廊下ですれ違った君の横には、相変わらず僕が1番嫌いなあいつがいて、思わず「最悪」と呟いてしまった。
楽しそうに笑いながら、目元を細めて、眉尻を下げて笑う。
そんな顔、僕は見た事なかった。

家に帰って手を洗って、夕飯まで携帯いじっていても、思い出すのは君の顔で、思い出すたびに目を瞑っては頭を振った。
きっと今頃あいつと……なんて思うのは癪なのに、嫌なことばっかり考えて、まだ自分は彼女が好きなんだと実感させられる。
1ヶ月も経ってるんだぞ。
そんなこと分かっているんだけど、君の存在は僕が思っているより、僕の中では大きかったようで、物思いに耽りながら食べる夕飯は美味しくなくて、箸を持つ手が、身体が、とても重かった。

寝ようと思っても君の顔が離れなくて、君の言葉が頭をかけめぐる。
「優しいね」だとか、「クールだね」だとか、そんなわけなくて、今実際に僕は、女々しいくらいに君のことを考えているし、君が好きなあいつを殴ってやりたい衝動に駆られる。
やっと寝れたと思ったのに、見るのは君の夢ばかりで、夜中に目が覚めてはいつも思うんだ。
嫌いになってたら、君に恋なんてしていなかったんだろうけど、「嫌いになれたらいいのに」って。


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歌詞に沿って書くと不自然に歌詞みたいになってしまう現象に陥りました。
作詞もしつつ、小説もかきつつで効率悪い奴だなと自分でも思っております。

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