赤井を探せば降谷に当たる

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意識すれば、その圧倒的な存在に威圧感を感じる
だけど意識しなければ、闇のように何も感じない
不思議な人


真っ黒なコートに銀の長髪が流れ、男が動くたびに揺れている
じっと視線を送れば、男が鬱陶しげにこちらに視線を向けた


「俺に何か用か」


深緑の目がAを射抜く


「何飲んでるんですか？」


男の手元にあるショートカクテルに目をやる


「…ギムレット」


「聞いたことあるけど飲んだことないや…美味しいですか？」


関わってくるな、って圧がすごい
でもなんか、かまいたくなる


「…飲んでみればいいだろ」


感想を言う気はないらしい
男は目でマスターに合図すると、マスターは小さく頷いた


シャカシャカとシェイクする音が響いたかと思うと、注文したマンハッタン、それとギムレットが目の前に出された


「あちらのお客様からです」


1度は言われてみたいセリフ！


ちらっと男を見ると、早く飲めと言いたげな視線がAを射抜く


「いただきます…」


一口飲むと、口いっぱいにライムの酸味が広がる
次にアルコールが喉を熱くした


「お酒だ…」


「ふっ…間抜けな感想だな」



思わず漏れたような笑いが横から聞こえる


「喉がカッて熱くなったから…お酒だなぁって」


弁明したところで間抜けな感想だったことは変わらない


恥ずかしくなり、目の前のギムレットを一気に飲み干す


うわぁ、視界がぐらつく
けどいい気持ちかもしれない


立て続けにマンハッタンに手を伸ばす

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