赤井を探せば降谷に当たる

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るんるんとパスタを作り始める店員さんの後ろ姿を眺める

こんな可愛いお嫁さんいたら幸せだよね
私全然料理しないからここの常連になっちゃいそう…


そんなことを思っている内に、あっという間に出来上がったパスタが目の前に置かれる


「梓特製カラスミパスタです！」


可愛い…天使…
自分で梓とか言っちゃうあたり最高に可愛い


「お姉さん、梓さんってお名前なんですか？」

「あ、ご挨拶遅れました！榎本梓といいます」

「ご丁寧にありがとうございます。私は天、宮Aといいます」


天音ヒナと言いそうになり、慌てて天宮と言い直す

危ない…
簡単に名前を教えるな
シュウの教えを破るとこだった
だけど、咄嗟のことであんまり変わらない名前になっちゃった
まぁ偽名って振り向くのに時間かかるし、近い名前のがいいよね


「Aさんですね！おいくつなんですか？」

「23歳です」

「え、私と同い年です！」

「ほんとですか！仲良くしてください！」


こんな何気ない会話久しぶり…
気を使わなくて、楽だなぁ
何気ない会話で盛り上がっていると、後ろから親子の、特に父親の視線が突き刺さる



これは殺気とかそういう類のじゃなくて、純粋？な好意
いや、純粋じゃないか、隣の娘さんが物凄い顔で父親を見てる
で、それを呆れ顔でみる小学校低学年くらいの男の子
大人びた小学生…


男の子が妙に気になりチラチラ視線を向けていると、父親と目が合う
その瞬間父親はキリッと身なりを整え、紳士的な態度で近づいて来た


「お嬢さん、はじめまして。私、このポアロの上で事務所を構えています名探偵の毛利小五郎といいます」

「ご丁寧にありがとうございます。天宮Aといいます」


金ピカ名刺、初めて見た
漫画の世界みたい


渡された名刺を興味ありげに見つめていると、毛利小五郎と名乗った男は鼻息荒く顔を近づけて来る


「お嬢さん！何かお困りのことはありますかな？」


「いえ、特には…」

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