赤井を探せば降谷に当たる

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FBI会議室の一角で額に手をつき、中年の男が1人、深くため息をついた
その目の前では、目の下に濃い隈を作った女がにっこりと笑う


「辞めます！」

「……」

「三徹した私は仕事を全部終えました！確認しましたね！？」

「…ああ」

「では、辞めます！」

本日2度目の辞める宣言に、男はさらに深くため息をついた

「理由は……」

「何度言わせるんですか！彼の、赤井秀一の死の真相を知りたいからです！シュウが死ぬなんて信じられないし、その死も不可解なことばかりです」


女はぷっと頬を膨らませながら腕を組む
やっぱりそれか、と男は小さく呟く


「アメリカで調べればいいだろう？」

「本場じゃなきゃ分からないこともあるんです！もうアメリカで調べるのは限界です」


そう言い、胸元に手を入れて辞職届を掴む
しかしその手は男の声によって止められた


「はぁ…分かった。日本に行くことを認める。ただし、捜査を終えたらFBIに戻ってこい。お前を失うのは惜しいからな」

「ありがとうございます！では、失礼します！」


半年間同じことを言い続けて、やっと許しを得られたのだ
女、天音Aはにっこりと笑い部屋を後にした
部屋を出ると、聞き耳を立てていた男たちがAを取り囲む


「やっぱり行くのか、天音」

「俺たちのAが…！」


頭をよしよしと撫でくりまわされる


ペット扱いされてる…


頬をぷぅっと膨らませると、男たちが次々とその頬を突く


「結局私の扱いってペットだよね！？みんな寂しいって思ってるの！？」

「もちろん！」


ニカっと笑う長身マッチョの男たち
いつもこんな感じで弄られて遊ばれてるけど、いざという時はとっても頼りになる大切な仲間たち


自分で決意したことだけどやっぱり寂しい


特に可愛がってくれていた先輩に思わずぎゅっと抱きつく


「マーク、死なないでね」

「…Aが帰ってくるまでFBIは任せろ」


ぎゅっと抱きしめ返してくれるマークに一層強く抱きつく
すると、周りで見ていた男たちも同じようにAを抱きしめ始める


「A！死ぬなよ！」

「帰ってくるの待ってるからな！」

「秀一の謎解いてこいよ！俺たちも気になってるんだから！」


そんな感じで盛大に送り出された1週間後には日本の地に足を下ろしていた

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