153話 もうすぐ夏休み ページ3
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「もうすぐ夏休みね？」
4人でカレーを囲む席で
雅子さんが口を開く。
「だねぇ。雅子さん、仕事は？」
「うん、今年も旦那の御母さんが雅紀見ててくれるっていうから…」
「えー！俺、一人でも大丈夫だってば！」
そう言いながらカレーを口に運ぶ相葉君は
幸せそうな顔をして頬を膨らませる。
「ご飯の用意、できないでしょ？」
「むぐっ、ごっ、もむっ…」
「口の中からっぽにしてから喋りなさい」
そう声を掛けた雅子さんと
それを聞いていた和くんが
同時に「ふふ」と微笑して
そして同時にスプーンを動かす。
口の中を空にして勢いよく水を飲んだ相葉君は
ふーと息を整えて
「Aちゃんに教えてもらうから大丈夫！」
なんて言うから、聞いてたわたしは
噴出しそうになった。
「なに急に？」
「和くんもお仕事でいないんでしょ？一緒にご飯つくろ〜♪」
「なんか目的がちょっと変わったような……」
んふふふふ…と長い息を吐いて笑う和くんが
「雅紀はAと留守番してたいの？」と
相葉君に問い掛けて、
当の相葉君は「そういうことかな！」と
元気いっぱいに返事をする。
「やです。なんで毎日相葉君と過ごさなきゃいけないの？」
「え！いや！？」
「やだ！！」
「えーーーーー！」
冗談じゃない。
中学生にもなって一人で留守番出来ないわけじゃないし
しかもなんなら相葉君がいたら
わたし毎日、おもり感覚で疲れるもん……
それに、
「俺は別に構わないけど、」
「ほらね！Aちゃん！」
「わたしは嫌なの」
「って、ウチのお嬢が言ってるから雅紀、ごめんな」
「えーーーーー！」
正直、これ以上……
相葉家には出入りされたくない、というか
「雅紀。おばあちゃんの所が嫌なら家にいて構わないけど
Aちゃんと和也君に迷惑かけるのはダメよ」
「……はーい」
雅子さんに、
出入りして欲しくない。
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2017年6月3日 23時
