真夜中の鬼ごっこ ページ4
宇髄が寝たのを確認し、屋敷を出る。
もちろん須磨、まきを、雛鶴が就寝したのも既に確認済みだ。
Aは音も気配もなく静かに屋敷を出た。
はずだった。
「おーいA、こんな時間に散歩はねえだろ。危ねえぞ」
((どうしてお前がここにいる！？))
お前ついさっき寝てただろ。
何で起きてんだよ。
意味分かんねえよ。
ちゃんと寝息立てて寝てたよな？
「俺様の半径100尺(現代の30mくらい)から離れんなって言ってんだろ」
「言われてねえよ」
「じゃあ今言った」
「ふざけんな死ね」
何だ100尺(30m)って。
短すぎるわボケ。
タッ！
とその場から走り出す(逃亡)するA。
「あっ、こら待て！」
追って来られるものなら追ってみろ。
追いつけるわけがない。
Aは走った。
それはもう全速力で。
※Aは里の中でも1、2を争う足の速さだったよ！(くのいちの中で)
((ここまでくれば…))
「もう鬼ごっこは終いか？」
耳元で聞こえた大嫌いな声。
バッと勢いよく振り向くと、そこには宇髄の姿が。
「いつの間にそんな速く走れるようになったんだ？」
「…………」←ものすごい眉間に皺を寄せて怒った何とも言えない顔をしている。
「すげえ顔」
「誰のせいだと思ってんだこの糞野郎」
「誰が糞野郎だ。お前の旦那だ旦那」
苛ついたので再度逃走を図るA。
それはもう走った。
限界まで。
全速力で。
なのに、それなのに。
「ぜえ、ぜえ…ぜえ……」
「おーおーよくこんな所まで来たな」
「なん、で、ぜえ、ぜえ…」←何でお前がここにいんだよ…！(怒)と言いたいが、酸欠でそれどころではない。
「いや、余裕だろこれくらい」
「(ムカァ)」←ものすごい顔(二回目)
「もう気は済んだか？なら帰るぞ」
「はあ？」
ひょいっとAを抱き上げ、俵担ぎにしてしまう宇髄。
「やっぱ軽いな。ちゃんとメシは食えよ？」
「おま！離っ」
「おーおー暴れんな暴れんな。暴れんなら口吸いすんぞ」
「…」
「そんなに嫌かオイ。流石の俺様でも傷つくぞ」
スンッ、と静かになったAに、今度は宇髄が何とも言えぬ表情になる。
「ま、鬼ごっこは俺の勝ちだな」
((ムカつく))
「次も楽しませてくれよ？A」
((ほんとマジで死んでくれ…頼むから…))
「頼み事ならもっと色気あるのにしろよな。萎えんだろ？」
「今すぐ死ね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2546人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お餅(プロフ) - 終わらんといてーーー (2022年2月13日 15時) (
レス) @page16 id: 28886abf9c (このIDを非表示/違反報告)
ちょる(プロフ) - はじめまして！！コメント失礼します！！続きが気になりました！いつか続きを更新してほしいくらいです！！ (2021年12月22日 12時) (レス) @page16 id: 8f8ae7ff3b (このIDを非表示/違反報告)
万札 - 続きをお恵み下さい……全てが刺さりました…好きです… (2021年12月1日 23時) (レス) id: fa3b030bed (このIDを非表示/違反報告)
ぴえん - 終わらないでくださいいいい (2020年1月13日 18時) (レス) id: e55a66c0f2 (このIDを非表示/違反報告)
守小町慶 - え、めっちゃ好き。ドンピシャすぎて何も言えない。 (2020年1月5日 23時) (レス) id: c4783174d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ずんだ (旧 國子)
| 作成日時：2019年10月21日 21時
