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海は好きだ。
どこまでも続く青い空と同様に。
一体この海の果てには何があるのだろうか？
まだ見ぬ何かがきっとある。
そんな夢を持って。
「(そう言えば、幼い頃は海賊に憧れていたっけ…)」
ずっと昔。
まだ両親が生きていた頃。
まさか今、その海賊、しかも四皇の一人を担う人の長男と結婚する事になるとは、夢にも思っていなかったが。
《海賊は何も怖い存在じゃない。怖い海賊もいるが、いい海賊もいるんだ》
《いい海賊？》
《パパも昔は海賊だったんだ》
《パパも！？》
《ママに惚れて、船を降りたんだけどな》
《へえ〜〜》
夜、寝る前。
いつも父が本を読んでくれた。
海賊の本。
可愛らしい子供向けの本より、少し大人向けの、海賊の物語だった。
「(懐かしい……。あれはどんなタイトルの本だったっけ)」
「ペロリン♪ どうした？A」
「起こしちゃった？」
「いや？」
「昔、父さんが生きていた頃……寝る前に本を読んでくれたの。その本のタイトルが思い出せなくて」
「？」
「大海原へ夢を掲げて冒険へと出る、ひとりの少年の物語。少年は始め一人なんだけど、旅を続けるうちに大勢の仲間を得て……。苦楽を共にしていく仲間たち。彼らはいつしか、海賊と呼ばれるものになり、海を制した。そして……」
ベッドで二人並んで寝る。
そんな日。
ふとその時の出来事を思い出したAは、無性にあの時読んでもらった本のタイトルが気になった。
そして最後の結末はどんな風だったか。
「ねえ、あなたはママに本を読んでもらった事はある？」
「少しはあるが…弟や妹たちに読んでやったことの方が圧倒的に多い」
「何だか簡単にイメージできるわね」
「明日出かける島に大きな図書館がある。探してみたらどうだ？」
「…そうね。時間があったら探してみる」
「そうするといい。ペロリン♪ 」
ふぁあ…と欠伸を漏らすペロスペロー。
「おやすみなさい」
「ああ、おやすみ」
二人でぐっすりと夢を見て、明日は出かけよう。
Aが言っていた本。
その本を探してやろう。
少し、本の内容が気になる。
この歳にもなって物語の結末が気になるとは。
そう思いながら。
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猫夜桜((シラキ - あー...好きって言葉しか出てこないんだがwめっちゃ癒されるw (2021年1月28日 19時) (
レス) id: 27d48dc6f8 (このIDを非表示/違反報告)
露木(プロフ) - 穏やかで優しくてとっても甘い、素敵な作品ですね…！読みやすくて、自然に引き込まれてしまいました。ペロスペローさんの魅力が沢山詰まっていて、夢主さんも素敵で…是非お二人にはいつまでも幸せに過ごして欲しいです。更新頑張って下さい。応援しています！ (2019年1月17日 15時) (レス) id: be3bf55a7b (このIDを非表示/違反報告)
カトレヤ(プロフ) - 海月水 姫さん» コメント失礼します！とっても仲のいいご夫婦ですね、微笑ましいです！更新がんばってください！ (2019年1月14日 20時) (レス) id: e677d34591 (このIDを非表示/違反報告)
海月水 姫 - 初コメ失礼します！何と素敵な夫婦！！更新応援してます！！ (2019年1月12日 19時) (レス) id: d46f895be8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：國子
| 作成日時：2019年1月7日 14時
