【鬼滅】転生したら美術教師だった派手柱と、生徒になってた夜柱【宇髄】

気づいたこと ページ21

この間、Aとデートに行って気づいたことがある。


Aはこの世界では割と感情が豊かであること。


これはおそらく、前世で失った家族が健在なのが大きく影響していると思う。


普通の人のように嬉しい時は笑い、怒り、泣くことが出来る。


真新しいことに目をきらきらとさせて、心躍らせることも出来る。





((次はどこに連れてってやるかな))





帰り道。


はしゃぎ疲れたのか車の助手席でうとうとするAを見ると、宇髄はかけていた音楽の音量を小さくした。





((遊園地、動物園……。プラネタリウムなんかもいいかもな))





きっとプラネタリウムに行ったらAは、食い入るように天井に映し出される星空を眺めることだろう。


昔は落ち着いて空を眺めることもできなかっただろうから。


当時着ていた羽織の模様を彷彿とさせる夜空の星々。


現代の夜は明かりが多く、綺麗な星空はなかなか見られない。


プラネタリウムなら落ち着いて、じっくりと時間を気にすることなく没頭できるはずだ。





『天元、次はあっちに行きましょ』


『おいおい待てよ、はぐれるぞ』


『早く！』


((すげーはしゃぎよう……))





普段は大人っぽく振る舞っているAも、現代ではまだ18だ。


いくら大人びていようと子供は子供。


水族館で興味津々に水槽の中で泳ぐ魚たちを見るAは楽しそうだった。





((イルカショーの時のあのはしゃぎ様は絶対に忘れねえ。あとまた来よう))





最前列に座り、ショーを見た。


イルカはあんなに賢いんですね、すごい高さまで飛ぶんですね。


一瞬イルカに嫉妬しそうになったが、なんとか堪えた。


Aがまさかここまで楽しむことが出来るとは。





うとうとしていたAが眠りに落ちた。


人前で眠るなんてことは、昔じゃありえない事だったが。





((出会えてよかった。年も近えし、片っぽがすげー年くってたらどうしようかと思ったけど。記憶を取り戻して、また昔の様に一緒にいられる。それだけで、結構嬉しいもんなんだな……))

音痴極まれり※ノベルネタバレ→←デート

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す