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気づいた ページ16

「今頃お気づきになったんですか?意外と鈍感なんですね、Aさん」


「面目次第もない……」





お前が逃げられないように、外堀から埋めてやってんだよ。


以前、宇髄がそう言っていた。


その言葉通り、徐々に埋められている。


逃げられない。





「前世での行いを悔い改めたい……」


「まあまあ。今更過去の行いを悔いても意味ないですよ」





グサリと突き刺さるしのぶの言葉。





「結婚、してあげればいいじゃないですか。Aさんも宇髄さんの事、好いていらっしゃるのでしょう?」


「ま、まあ……」


「でしたら、もうAの中で答えは出ていらっしゃるのでは?」


「…………」


「嫌なら嫌と、ハッキリ言って差し上げないと。宇髄さんに失礼ですよ」


「嫌だとは!思って……ない、けど」


「ふふっ。素直じゃないんですね、Aさん」


「ゔっ」


「素直じゃない、と言うより……恥ずかしがり屋さん……ですかね」





嫁になる。


宇髄の元に嫁ぐ。


前世では得られなかった幸せ。


おそらく彼女は、幸せというものを得るのが怖いのだろう。


幸せを得て、それをいつか失うのではないかと怯えて。





「大丈夫ですよ。宇髄さんは」


「!」


「Aさんを残して、一人逝くような人じゃありませんし。Aさんを悲しませるような事はしない人です」


「………」


「もしそんな事をしたら、私が懲らしめてあげますから。安心してください」





にっこりとそう言って笑うしのぶ。





((胡蝶……。怖ええよ…))





隠れて二人を見ていた宇髄。


もちろんAを一人にするつもりも、悲しませるつもりも、毛頭ない。


家族と離れ、一人暮らしをしていたA。


一人の方が気が楽だから。


そう言っていたが、家族と一緒に過ごす=幸せ。


その幸せをもし失うようなことになったら。


それが怖いから一人でいたのだろう。





((そんな思い、もう二度とさせねえよ……))


「宇髄さん」


「!?」


「ふふっ。Aさんは考えに夢中で気がついていないようですけど、いるの気づいてますよ?」


「こ、胡蝶……」


「Aさんを悲しませたら、私が許しませんからね?覚悟してください」


「…分かってる。もう二度と、あいつに嫌な思いはさせねえよ」

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コハク(プロフ) - 両親に挨拶いった話みたいです! (2019年11月9日 0時) (レス) id: 2e3acf2050 (このIDを非表示/違反報告)
ヒビヤ - またリクエストすいません!結婚式見たいです!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 285698817c (このIDを非表示/違反報告)
ミミット - リクエストです!!ハロウィン仮装をしてイチャイチャして欲しいです! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 8fab9ce7af (このIDを非表示/違反報告)
ヒビヤ - リクエストします!プラネタリウムのほのぼのデートか家で甘々イチャイチャ見たいです!! (2019年11月6日 21時) (レス) id: 285698817c (このIDを非表示/違反報告)
牛乳とコッペパン(プロフ) - リクエストです。海に行って欲しいです!! (2019年11月6日 10時) (レス) id: c20b5adaac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ずんだ (旧 國子) | 作成日時:2019年10月15日 15時

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