居眠り ページ2
『宇髄先生、職員室へお戻りください』
そんな呼び出しから一時間。
((もう帰っちまったか…?))
宇髄が美術室を覗くと、壁に寄りかかって眠るAの姿が。
いつもならこれ幸いにとさっさと帰っちまうのに。
空いた窓から入ってくる風に、揺れる髪。
「あ゛〜〜〜〜」
何だよ、この無防備な姿は!
襲ってくださいって言ってるようなもんだろ!
「んう……」
「!」
起こしちまったか?
と静かに近づく。
((マジで無防備……。襲っていいのか?これ。いやでもこれで起きたらビンタが飛んできそうだな……))
うっすらと空いた唇。
手元には読みかけの本。
大方、俺がいなくなって静かになり、さぞ本が読みやすかった事だろう。
そのうち眠気が来て、眠りこけたんだろうが。
「……ん…宇髄…せん、せ?」
「おう。こんなとこで寝てっと襲うぞ」
「ん………」
((寝ぼけてやがんな))
昔はうかうか寝れるような生活、してなかったもんな。
いつもどこかで気を張って、休む暇もなく。
こうしてAの寝顔を、寝ぼけた姿を見るのは、前世でもなかった。
「こっちの生活の方が幸せだな」
ぽんっ、とAの頭に手を起き、撫でる。
「ん」
「あー、もう寝ろ寝ろ!今日は。時間になったら起こしてやるから」
着ていた服を脱いで、Aにかけてやる宇髄。
Aが手に持っていた本も取り上げ、しおりを挟んで机へ。
((ぬくい……))
そのままAを抱きしめる宇髄。
Aの体温の高さと、風の心地よさに自身も眠気を誘われる。
((俺も寝るかな……))
数時間後、ふと目を覚ましたAは状況が飲み込めず混乱していた。
((え、何これ。どういう状況………!?!))
なぜ自分が宇髄に抱かれて寝ているのか。
「え、ええ………………??」
「ん……起きたのか?」
「う、宇髄先生……」
「お前が気持ちよさそうに寝てたから、俺も寝た」
「そ、そうですか……」
「よく眠れたか?」
宇髄の心臓の音が、どこか安心する音色で。
ぐっすり寝れたとは言えない……!
「ま、まあ……?」
少しはぐらかしながら返したAに、宇髄は笑いながら頭に手を伸ばした。
「よかったな。俺もつられて寝ちまったわ。お前ぬくいから」
「人を湯たんぽみたいに……」
「湯たんぽか!いいなそれ!はっはっは!」
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コハク(プロフ) - 両親に挨拶いった話みたいです! (2019年11月9日 0時) (レス) id: 2e3acf2050 (このIDを非表示/違反報告)
ヒビヤ - またリクエストすいません!結婚式見たいです!! (2019年11月8日 23時) (レス) id: 285698817c (このIDを非表示/違反報告)
ミミット - リクエストです!!ハロウィン仮装をしてイチャイチャして欲しいです! (2019年11月6日 22時) (レス) id: 8fab9ce7af (このIDを非表示/違反報告)
ヒビヤ - リクエストします!プラネタリウムのほのぼのデートか家で甘々イチャイチャ見たいです!! (2019年11月6日 21時) (レス) id: 285698817c (このIDを非表示/違反報告)
牛乳とコッペパン(プロフ) - リクエストです。海に行って欲しいです!! (2019年11月6日 10時) (レス) id: c20b5adaac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ずんだ (旧 國子) | 作成日時:2019年10月15日 15時