番外編:性格 ページ42
Aの本来の性格は、今のようなしとやかな、落ち着いたものではなかった。
まだ目が見えていた頃。
家族が健在だった頃。
「こら!また勝手に裏山に行ったでしょう?あそこは危ないから入っちゃだめって、何度も言ったでしょう!?」
「ごめんなさい〜〜!!」
「全く……。裏山には熊や狼みたいな野生の生き物がいるんだから、食われても知らないよ」
「びえ〜〜〜〜!」
「フンッ!」
長女らしく、しっかり者で、おいたをした弟を咎める、ちょっとだけ厳しい姉。
でもそれも、弟妹たちを思ってのこと。
「A、そろそろご飯にしよう」
「うん、母さん」
「おねえちゃーん!山菜取って来たよ〜!」
「ありがとう、助かるよ」
「えへへ」
Aを変えたのは、やはり鬼との出会い。
そして家族との別れだろう。
((独りぼっちになってしまった………。頼れる人は、もう…いない。しっかりしなきゃ。私が、私が……))
「はあ……。宇髄くん、あなたって人は……」
「まあそうカリカリすんなって。この方が派手だろう?」
「あれほど忍びらしくと」
「なあ、あんた」
「何ですか?まだ人が話してる最中」
「出会った頃と性格、変わったよな」
「?何のことです?」
「昔は、もっとこう、人と一線を置いてるような、そんな感じだった」
宇髄と出会ってから、Aは変わった。
少し前に戻ったような。
それは、宇髄が弟に少しだけ似ていたからだろうか。
元々世話焼きな部分があったからか。
何となく、放っておくことができなかった。
「俺は誰かに対していつも一線を置いてるようなあんたじゃなく、今のあんたの方が、あんたらしくていいと思うぜ」
「…なんです、それ。私は今も昔も、変わってませんよ。気のせいでは?」
「んだよ、すっとぼけるつもりか?素直じゃねえな」
長女だから、しっかりしなければ。
一人だから、しっかりしなければ。
ずっとそう思っていた。
けれど、もう一人じゃない。
((きっと私が変われたのは、彼のおかげ、なんでしょうね…。まあ、口に出しては言いませんが))
彼のおかげで、仲間と言う存在を知れた。
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ずんだ (旧 國子)(プロフ) - レンサさん» コメントありがとうございます。私の所は全巻売り切れで、ノベルしか置いてませんでした(泣)よもやこれほどとは……。続編の更新、頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年10月16日 0時) (レス) id: 96c933232a (このIDを非表示/違反報告)
レンサ(プロフ) - この話ずっと読み返してます。私の行きつけの書店でも所々巻数が抜けていて店員の人に取り置きさせて貰いました。続編の方も読みます。頑張って下さい。 (2019年10月15日 16時) (レス) id: 6d7ff987c8 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ (旧 國子)(プロフ) - シュウさん» コメントありがとうございます(*´∀`)読み返して自分でも「あれっ!?」ってなりました。上弦の月て………(;´∀`)書いてるうちに頭の中ごちゃごちゃになってました。すみません、ありがとうございます!あとで直しておきます( ;∀;) (2019年10月14日 12時) (レス) id: 96c933232a (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。少し気になつたのですが、宇髄天元の目と腕を奪ったのは十二鬼月の上弦の陸です原作読まれてないとの事なので恐らく情報がごっちゃになったかと…これからも更新頑張ってください! (2019年10月14日 8時) (レス) id: fbf674f14e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ずんだ (旧 國子) | 作成日時:2019年10月10日 17時