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逃げ道 ページ36

昔から、ずっとそう。


鬼に襲われた人を助け、憧れられて、鬼殺隊に入りましたと報告してくる人達。





『さあ?どちら様でしょう』





そう言うと悲しそうに私の元から去っていく。


ごめんなさい。


本当は全員、覚えてる。


忘れたなんて嘘。


私が助けた人が、鬼殺隊に入って、鬼に殺されて行く。


私は死神なのではないか。


ただただ、悲しくなって。


それなのに、彼は違った。





「あなたが任務に行くと聞いた時、心の中に靄がかかったんです」





ただ、祈ることしかできなかった。


無事に帰ってきてくれと。


柱を引退した身で、何を言っているのか。


連れて行って欲しかった?


わからない。





「あなたが負傷したと聞いて、胸が張り裂けそうな気持ちになった。あなたの姿を見て、自分の不甲斐なさを、惨めに思いました」





鬼と対峙した時、目を奪い返してくれた。


目に光を取り戻してくれた。


彼は私に、色々なことをしてくれた。


それなのに私は、私は。


また死神になってしまったのか。





「自分で思っている以上に、私は………あなたの事が大切だったんです」





何もできない、弱虫。


力を手に入れて、強くなった気でいた。





「それはよ、俺が思ってる風に取っていいのか?あんた、俺の事を好いてくれてんのか?」


「………」


「俺は、もうあんたの継子じゃない。俺はあんたに、人の男として見てもらいたい。だから俺は、あんたを一人の女として見てる。鬼殺隊だなんだかんだ、全部抜きにしてな」


「今の私がここにいるのは、鬼殺隊があるからです。鬼殺隊がなければ、私はここにいないし、宇髄くんと出会うこともなかったでしょう」


「そうやって、逃げ続けるのかよ。俺から」


「すみません」





本当は、気づいている。


けど、気づいてないフリをして。


知らないフリをして。


逃げ続けるしか。


どこかに必ず、逃げ道を作って。





「はあ〜〜〜〜〜、まあ、いいぜ?鬼ごっこだ」


「?」


「あんたはそうやって逃げ回ってりゃいい。俺様が派手に捕まえてやる。逃がしゃしねえよ」


「ふふっ。そうですか。それは困りましたね」





そう言ったAの表情は、すこしホッとしたような、言うほど困った表情ではなかった。

復帰→←派手にこだわる男



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ずんだ (旧 國子)(プロフ) - レンサさん» コメントありがとうございます。私の所は全巻売り切れで、ノベルしか置いてませんでした(泣)よもやこれほどとは……。続編の更新、頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年10月16日 0時) (レス) id: 96c933232a (このIDを非表示/違反報告)
レンサ(プロフ) - この話ずっと読み返してます。私の行きつけの書店でも所々巻数が抜けていて店員の人に取り置きさせて貰いました。続編の方も読みます。頑張って下さい。 (2019年10月15日 16時) (レス) id: 6d7ff987c8 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ (旧 國子)(プロフ) - シュウさん» コメントありがとうございます(*´∀`)読み返して自分でも「あれっ!?」ってなりました。上弦の月て………(;´∀`)書いてるうちに頭の中ごちゃごちゃになってました。すみません、ありがとうございます!あとで直しておきます( ;∀;) (2019年10月14日 12時) (レス) id: 96c933232a (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。少し気になつたのですが、宇髄天元の目と腕を奪ったのは十二鬼月の上弦の陸です原作読まれてないとの事なので恐らく情報がごっちゃになったかと…これからも更新頑張ってください! (2019年10月14日 8時) (レス) id: fbf674f14e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ずんだ (旧 國子) | 作成日時:2019年10月10日 17時

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