検索窓
今日:3 hit、昨日:13 hit、合計:266,358 hit

贈り物 ページ31

「A様!お届けものです!」


「誰からです?」


「宇髄様からです!」





Aの屋敷に住む、蝶屋敷にいるアオイのような子供。


彼女もまた、最終選別を突破したものの、鬼が怖くて戦闘には赴けない、そんな子だった。


そんな彼女を引き取ったのがAである。


名前は『りん』と言う。





「これは……」


「わあ…!素敵な反物ですね」


「少々派手すぎでは?」


「これで着物をあつらえたら、きっとお似合いですよ!」


「………」





赤い反物。


宇髄の瞳を彷彿とさせる。


りんは思った。


本当に宇髄様はA様の事が大好きなんだな、と。





「A様!せっかくの反物ですよ?作りましょう!着物!こう見えて、私得意なんです。そう言うの」





渋るAを半ば強引に説得し、反物を抱えるりん。





『おう、チビ!』


『宇髄様!』


『元気にしてたか〜?』


『子供扱いしないでください〜!背が!背が縮んでしまいます!!』


『はっはっは!』





宇髄様が任務終わりに訪ねてくると、いつもA様はそっと微笑む。


きっと無事に戻ってきた事への安心の印なのだろう。


赤い反物。


宇髄様は赤がお好きなのだろうか?


瞳も赤いし、顔に施している化粧も赤い。


日輪刀の柄も赤いし……。





「やっぱり………独占欲ってやつかな…?」


「何がです?」


「はえっ!?あ!その、何でもないです!!しし失礼します!!できましたらお声がけしますね!!」





ぴゅーーーーっ!!


と逃げていくように去っていくりんを横目に、Aはすっと空を見上げた。





「赤は、私も好きですよ」





まるで彼のようで。


口に出してそうは言わないか、嫌いではない。


自分が身にまとうのは、少々派手すぎのようで好みではないが。


Aの言葉は誰の耳に届く事なく、風に流されていく。





「さて、訓練の再開と行きますか」





数刻前、弟子たちに言い渡した休憩。


そろそろ頃合いか。


Aは弟子たちのいる道場へと向かった。

負傷ノ知ラセ→←音柱



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (179 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
360人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 宇髄天元
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ずんだ (旧 國子)(プロフ) - レンサさん» コメントありがとうございます。私の所は全巻売り切れで、ノベルしか置いてませんでした(泣)よもやこれほどとは……。続編の更新、頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年10月16日 0時) (レス) id: 96c933232a (このIDを非表示/違反報告)
レンサ(プロフ) - この話ずっと読み返してます。私の行きつけの書店でも所々巻数が抜けていて店員の人に取り置きさせて貰いました。続編の方も読みます。頑張って下さい。 (2019年10月15日 16時) (レス) id: 6d7ff987c8 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ (旧 國子)(プロフ) - シュウさん» コメントありがとうございます(*´∀`)読み返して自分でも「あれっ!?」ってなりました。上弦の月て………(;´∀`)書いてるうちに頭の中ごちゃごちゃになってました。すみません、ありがとうございます!あとで直しておきます( ;∀;) (2019年10月14日 12時) (レス) id: 96c933232a (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。少し気になつたのですが、宇髄天元の目と腕を奪ったのは十二鬼月の上弦の陸です原作読まれてないとの事なので恐らく情報がごっちゃになったかと…これからも更新頑張ってください! (2019年10月14日 8時) (レス) id: fbf674f14e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ずんだ (旧 國子) | 作成日時:2019年10月10日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。