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お似合いの二人 ページ26

「まさか鬼に奪われた目を取り戻すことができるなんて、本当に驚きですね」





鬼を倒し、蝶屋敷へと戻ってきた宇髄とA。


目を取り戻したAは、しのぶの診察を受けていた。


多少不慣れな事はあるものの、後遺症もなく視力は良好。


戻った目は左目だった。





「宇髄さんが取り戻したんですか?」


「まあな」


「でももう片方は潰させてしまうなんて、まだまだですね」


「なっ!しょうがねえだろ!!」


「胡蝶さん、宇髄くんをいじめるのもその辺で」


「ふふっ。すみません。つい」


「ついって……」





右目は潰されてしまったものの、もう片方の目である左目は宇髄の手によってAの元に戻された。


失ったはずの光を、こうしてまた見ることができるとは。





「つーか、目を取り戻したのにどうして瞑ったままなんだよ。目」


「どうにも、慣れないんですよ。ずっと見えないままだったので」


「……」


「不満ですか?」


「当たり前だろ」





せっかく取り戻したんだ。


今まで見れなかった分、たくさん見ればいいじゃねえか。


宇髄はそう思った。





「なあ」


「はい?」


「前に、連れて行って欲しいところがあるって、言ったよな」


「…そう言えば、ありましたね」


「連れてってやるよ。しばらく任務もねえんだろ?」





そう言うと宇髄はAをひょいっ、と抱きかかえ歩き出した。





「ちょっ、宇髄くん!?」


「ちょうどいい機会ですし、行ってきたらどうですか?」


「だな!よし!行くぞ!派手に!!」


「こら、人の話を……」


「はっはっは!黙ってないと舌噛むぞ!」





たっ!と走り出したかと思えば、すぐさま蝶屋敷を出て行く宇髄。


そんな後ろ姿を行ってらっしゃいと見送り、しのぶは笑った。





「やっぱりあの二人はお似合いですね。早く思いを告げてしまえばよろしいのに。意外とうぶなんですかね、宇髄さん」





いつも目を瞑っていたせいか、目を開くと少しふらつく。


感覚が狂って仕方がない。


だからいつものように目を瞑って生活するつもりでいた。


しかししのぶからも、目を光に慣れさせるためにもと使用を強く念押されたAは戸惑っていた。





「かといって、ずっと抱きかかえられたままのは……」


「この方が早いだろ。次、どっちだ?」


「あっちです」


「おう!」





宇髄はAが指差す方向へと進み続けるのであった。

行きたかった場所→←赤い瞳に銀の髪



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ずんだ (旧 國子)(プロフ) - レンサさん» コメントありがとうございます。私の所は全巻売り切れで、ノベルしか置いてませんでした(泣)よもやこれほどとは……。続編の更新、頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年10月16日 0時) (レス) id: 96c933232a (このIDを非表示/違反報告)
レンサ(プロフ) - この話ずっと読み返してます。私の行きつけの書店でも所々巻数が抜けていて店員の人に取り置きさせて貰いました。続編の方も読みます。頑張って下さい。 (2019年10月15日 16時) (レス) id: 6d7ff987c8 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ (旧 國子)(プロフ) - シュウさん» コメントありがとうございます(*´∀`)読み返して自分でも「あれっ!?」ってなりました。上弦の月て………(;´∀`)書いてるうちに頭の中ごちゃごちゃになってました。すみません、ありがとうございます!あとで直しておきます( ;∀;) (2019年10月14日 12時) (レス) id: 96c933232a (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。少し気になつたのですが、宇髄天元の目と腕を奪ったのは十二鬼月の上弦の陸です原作読まれてないとの事なので恐らく情報がごっちゃになったかと…これからも更新頑張ってください! (2019年10月14日 8時) (レス) id: fbf674f14e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ずんだ (旧 國子) | 作成日時:2019年10月10日 17時

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