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宇髄天元 ページ3

あれから数年。


少年は鬼殺隊へ入隊する為に、最終選別と挑んだ。


キッカケはもちろん、彼女との出会い。


ひと時も忘れる事はなかった。


彼女の存在を。





『私はこれで』


『あっ、待っ……』





そう言って身を翻した彼女の背。


咄嗟に引き止めようと手を伸ばした。


風によってひらりと舞った羽織り。


着ていた隊服の背に書かれた【滅】の文字。





『あんた………一体何者なんだ?』





普通の剣士ではない事は一目でわかった。


あの太刀筋、振る舞い方。


鬼に襲われていて気が動転していたとはいえ、音もなく現れ、鬼を切った。


二匹目の鬼に動転する事もなく。


冷静に。


かつ的確に急所の頸を狙って一撃で仕留めた。





『私は、鬼殺隊の隊士です』


『鬼殺隊……』


『さっきのように人を襲う鬼を切るのが、私たちの役目。もう少し早く到着していれば、そんな怪我をさせる事もなかったのですが……。すみません』





その時、二人の間に勢いよく風が吹いた。


あまりの風の強さに、少年は目を瞑った。


そして開いた時には、彼女の姿はどこにも見当たらなかった。





『何だったんだ………あの女……』





その後、少年は育手の元で修業を積み、力を手に入れた。


藤襲山で7日間を生き残り、鬼殺隊へと入隊し。


任務を与えられ、鬼を倒し、怪我をして、蝶屋敷に収容された時、少年は見知った顔を見つけ、その場で駆け出した。





「そこのあなた!廊下は走らないでください!!」





屋敷の者に注意されるも、その言葉に耳も貸さず、去りゆく背中を追いかけた。





「おい、あんた!そこのあんただ!!目の見えない、そこの女ァ!」





少年の言葉に、一人の女性がピタリと立ち止まった。





「それは…私の事でしょうか?」


「やっと見つけたぜ」


「?」


「まあ、目の見えてないあんたにとっちゃ、俺の事なんて忘れてるだろうし、眼中にねえだろうけどよ。俺だよ、俺」





変わらない、あの時の姿。


夜のように煌めく羽織。


閉じられた目。





「俺ァ、宇髄天元!あの時の借り、返しに来た!」

忘れられた→←盲目の柱



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ずんだ (旧 國子)(プロフ) - レンサさん» コメントありがとうございます。私の所は全巻売り切れで、ノベルしか置いてませんでした(泣)よもやこれほどとは……。続編の更新、頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年10月16日 0時) (レス) id: 96c933232a (このIDを非表示/違反報告)
レンサ(プロフ) - この話ずっと読み返してます。私の行きつけの書店でも所々巻数が抜けていて店員の人に取り置きさせて貰いました。続編の方も読みます。頑張って下さい。 (2019年10月15日 16時) (レス) id: 6d7ff987c8 (このIDを非表示/違反報告)
ずんだ (旧 國子)(プロフ) - シュウさん» コメントありがとうございます(*´∀`)読み返して自分でも「あれっ!?」ってなりました。上弦の月て………(;´∀`)書いてるうちに頭の中ごちゃごちゃになってました。すみません、ありがとうございます!あとで直しておきます( ;∀;) (2019年10月14日 12時) (レス) id: 96c933232a (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。少し気になつたのですが、宇髄天元の目と腕を奪ったのは十二鬼月の上弦の陸です原作読まれてないとの事なので恐らく情報がごっちゃになったかと…これからも更新頑張ってください! (2019年10月14日 8時) (レス) id: fbf674f14e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ずんだ (旧 國子) | 作成日時:2019年10月10日 17時

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