～箱庭～ワタシとアイツのその頃【N.K】 (ページ41)

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店を出てすぐ右に折れて、駐車場のその先の

道の駅の出口に視線を送ると……

本当に、ちょうど道の駅を出て信号を渡って……

真っ直ぐに家のほうへ向かって歩く、アイツの後姿が見えた。

あれは、台車でも押してる？チャリじゃねぇの？(笑)

いつも店の中でしか見た事のなかったアイツは、あの頃もそうだったけど……

今年も、今も、夏だっていうのに長袖のカーディガンみたいなのを羽織っていて

相変わらず季節を無視してる姿に、

俺は一人で笑った。

暑くねぇの？

……

怖くねぇの？

大丈夫なの？

視線の先のアイツは、道を右に曲がってその姿が見えなくなった。

信号を渡った俺は、少し小走りをしてその後を追う。

俺も道を右に折れてアイツの姿を探すと、ちょうど

家の門から入って奥に消えていくアイツの姿が見えた。

ビックリするくらい、笑いが止まらない。

安堵感と高揚感で、たまらなく満ち足りた気持ちにさせられてる自分がいる。

すげぇな。

そんなに嬉しいんだ、俺。

アイツが外にいて、普通にしてるってことが、さ。