・39 ワタシ ページ40
「どうも。」
マッチ先輩に頭を下げる。
「どしたどしたー久しぶりだなっ！！なんかの仕事か！？」
「今日、コンサート。」
短くそう答えると、へぇ〜そうなの？？って
腕を組んではぁ〜はぁ〜って言いながら首を縦にふっている。
今日のコンサートの事を知らないんじゃ、アイツも……
「そういえば、芽衣子がこっちでもあるとか何とか言ってたなぁ。」
「えっ。」
唐突に……さらっとアイツの名前が出てきた。
「そっかぁ、今日かぁ。」
え、ちょ……
俺が言葉に迷っていると、ジェイが口を開いた。
「その芽衣子っていうここの看板娘さんは、今日はお休みですか？」
「あ、芽衣子？」
マッチ先輩が腕組みをやめて声のするジェイの方を振り返る。
次の言葉が出るのを、固唾を呑んで見守った。
アイツは……
「外で会わなかったか？今ちょうど忘れてきた分の惣菜取りに出たぞ。」
マッチ先輩が、道の駅の出口を指差す。
「そうなんすか？」
「あぁ〜まぁ従業員用出口から出てったからか？会わないか。」
急に、店内が静まり返った気がした。
辺りを見回すと、メンバー全員が俺をじっと見つめていた事に気づく。
「芽衣子に会いに来たのか？」
マッチ先輩の声に我に返って、マッチ先輩の方を見た。
「優しいなぁ、二宮ァ。」
そう言うマッチ先輩の顔が、凄く優しい。
「待つの？彼女が帰ってくるの。」
翔さんが、唇に指を当てて俺に問い掛ける。
「行って来たら？」
ジェイは腕組みしながら笑っていて
「行っといでよー、手伝ってきてあげなよ。」
って、相葉さんはふらふら揺れながら笑っていて
最後に、なんとなく大野さんと目が合ったら大野さんは
いつものしわしわの笑顔で
「行ってらっしゃい。」と
言ってくれた。
なにこれ。
めっちゃ恥ずかしいんですけど……
でも、俺もつられてニヤニヤしちゃって、
「んじゃちょっと行って来ますね。」って
「あ、お弁当俺の分もこさえといてくれます？」なんつって
「オッケ〜！」
「山盛り山盛りぃ〜！」
「あぁーマジ腹減った。」
って、ガヤガヤ騒ぎ出したメンバーを背に
俺はさいぞうやを後にした。
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2014年9月9日 16時
