・35 ワタシ ページ36
「へっ？」
「何でさぁ、今生の別れみたいなノリなの。連絡先交換すりゃいいじゃん。
そしたら毎日でも電話して励ましたら良いだろ。会えなくたって、それくらい出来るし。
それにスケジュール調整したり、ずっと先の日程を予め組んでさ、
連休もらう事だってやろうと思えば出来ない事もないんだから、会いにだって行けるだろ。」
つらつらと、言ってのけるジェイを前にして
俺は呆気にとられていた。
ていうか、ちょっと目からうろこ？(笑)
「……まぁ、言われてみれば、そうね……」
「悲劇のヒロインぶってんなよな。」
そう言うとジェイは正面に向き直って、その身をソファに深く沈めた。
「だから、明日行くぞ。俺も着いて行くから。」
「はっ！？」
「お前絶対“はいはい行きます”とか言っといて
明日んなったら部屋から出てこないとかやるだろっ！！」
「やりませんって！(笑)」
「いーや信用できねぇ！てことだから俺は今日ここで寝る。」
「はぁっ！？」
「その為の準備だってしてきた♪」
ジェイは、ウキウキ顔で持ってきた荷物を
目線の高さまで持ち上げると、俺に見せてくれた。
「はぁー……用意周到ですね……もうジェイの中で結末は決まってたのね。」
ジェイは部屋に1つしかないベッドにダイブすると、
「もう寝るぞ！早く風呂に入って来い！明日は早いんだから！」と言って
もそもそと布団の中に潜り込んだ。
めちゃくちゃ嬉しそうな顔をして、布団から顔と手だけ出してるジェイが可笑しくて
つい、声をあげて笑ってしまった。
「襲うのだけは、勘弁してよね？」
「どうだろ、ニノ可愛いからなあ……」
「え、怖いっ！！」
お茶目な末っ子のおかげで、気持ちがスッキリした俺がいる。
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2014年9月9日 16時
