・34 ワタシ ページ35
ジェイが、俺の肩を掴んでにじり寄る。
一生懸命に、俺に問い詰める。
なんでいつも、俺じゃない誰かがこんなに必死なんだよ。
「別に……ジェイにだけ話さないとか、そんなんじゃないよ。
ただ、なんていうか……そんな間柄でもないでしょ？ワタシたち。」
若干、押し倒されてませんよね？ってくらいにがぶり寄られてるんですけど大丈夫ですか。
「……で、何で怖気づいたわけ？」
ジェイが、冷ややかな声色で問い掛ける。
ちゃんと話さなきゃ犯すぞとか言わないですよね？
「いや別に怖気づいてるわけじゃないんですけど……
アイツはその……ちょっと精神病んじゃってる系だから……」
「だから？」
「……頑張って治すからって、1人でも頑張るからって言ってたんだわ。」
「……」
「だから自分を忘れてって。多分、俺にしがみついてたんじゃダメだと思ったんじゃない？」
俺の肩を掴んでいたジェイの手の力が、少しずつ緩んでいく。
「だからやっぱり、会わないままがいいよなって、思ったわけです。」
言い終わってジェイの目を見つめても、その表情は怪訝で冷ややか。
「どうして？」
「え、どうして？」
ジェイの質問に質問返しをすると、眉間のしわが更に深くなる。
「それでどうして、会わないほうがいいって結論になるわけ？」
「どうしてって……」
簡潔に、納得のいくように説明したはずなのに
ジェイの心には響かなかったようで
「どうしてって……だって……じゃぁ逆にどうするの？
アイツがまだ治ってなかったらどうすればいいんです？
俺は一度突き放して、ほったらかしにしたって言うのに
治ってなくて、あぁーそうですかって言って、また1人で東京に帰ってくるの？
また頑張ってねって、1人置き去りにして、今度こそ会えなくて、そんな冷やかしある？」
ジェイの眉間のしわが徐々に消えていって、
話しが分かってもらえたかと思った途端に
ジェイが鼻で笑いながら、俺に一言言い放った。
「連絡先交換すればよくね？」
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2014年9月9日 16時
