・33 ジェイ ページ34
俺にミルクボトルを捨てさせた時
きっとこの恋とは決別するんだと思っていて
だからそれに加担するのはなかなか心苦しくて結構参ったってのに
いきなり「この日、時間ちょうだい。」だもんな。
勝手なヤツ！って思ったけど、嬉しかったんだよ。
しれっとした顔してさ、心ん中には想ってる子がいるんだもんな。
思い出の品を手放してみたって、何の意味もなかったって事でしょ？
それくらいに、忘れられる人じゃなかったって事でしょ？
んで？前日んなって「行かない。」ってなんだよ……
みんな何となく、なにも言わなくたって応援したい気持ちでいたのは見てれば分かる。
だけどニノの言葉を聞いても、誰も止めようとはしないし
リーダーに至っては「それもアリか。」なんて言ってる。それ本気？
絶対に、絶対に。
めんどくさくたって行くべきだ。
会ってみたら気持ちが変わるかもしれない。
なにもしないで最初っから諦めるなんて、絶対後悔するから。
食事を終えて、部屋に戻ると
俺はとっとと風呂に入って、明日の身支度を整えて……
それを抱えてニノの部屋へ向かった。
・
インターホンを、一度鳴らしただけでは出てこないんで超連打してやると
ニノは「しつけー！(笑)」と言いながらドアを開けてくれた。
「どしたのジェイ？」
すたすた歩いて部屋の中へ戻っていくニノの背中に向かって話した。
「明日、本当に行かないつもりかよ。」
どうせ、そんな話しだろうと思ったんだろ？
ニノはニヤッと笑いながらソファに身体を預けて、ポータブルのゲームに手を伸ばす。
「うん、まぁ。気が変わっちゃったんで。」
「何でだよ、行くだけ行けって。」
「うん、そうねぇー……。」
ゲーム機から顔もあげずに、適当に返事をするニノに無性に腹が立って
ニノの隣に勢いよく腰を下ろして、ゲーム機の液晶画面を手で覆うと
ニノの肩を掴んで無理やり俺の方を向かせた。
「なんで？なんでそんなに煮え切らないんだよ……。」
ビックリした顔で、俺を見つめるニノ。
「なんで俺には何も話さねぇーの？みんなリアクション薄いのは事情を知ってるから？
なんで急に行かないなんて言うんだよっ！！」
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2014年9月9日 16時
