～箱庭～ワタシとアイツのその頃【N.K】 (ページ4)

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・03　ワタシページ4

プリンの小瓶は、わざわざリボンを外して

洗って乾かして、またリボンを着けて、カウンターの上に置いておいた。

まぁ、オブジェと思うと可愛いもんよ。

一輪挿しとかいいじゃない。ぜったい花買って来ませんけど。

毎日、毎日、それは視界に入ってきたけど

やっぱり忙しい毎日は、俺の気持ちを落ち着かせてくれた。

感傷に浸るヒマもないくらいに忙しない毎日が続いてくれて

あの夏の出来事は、あっという間に思い出になってくれそうだった。

でもそう思ったのは始めの3週間くらいのもので。

映画の撮影が終わって、わりといつも通りの忙しさとリズムを思い出して

またそれに身体が慣れ始めた頃には

なんでもないのに、急にアイツの事を思い出したりする事があった。

そんな自分を初めは笑ってごまかしていたのに

ちょいちょい俺の頭の中に現れるアイツは

次第に俺の気持ちを乱していった。

やっぱ、そうなるのね。

これってヤバイやつ？(笑)

って、

笑っていられたのも、今だけだった。