～箱庭～ワタシとアイツのその頃【N.K】 (ページ27)

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・26　ワタシページ27

ジェイにその、小瓶を託した理由は

一番嫌がらずに受け取ってくれる相手だと思ったから。

それに一応、料理をする人だし、何かに活用できなくもないかなって……

気を遣って

何も聞かないか、聞いても笑って

「しょうがないから貰ってやるよ。」って言ってくれそうな気がしたんだけど

珍しく俺の見当違いに終わったみたいだ。

いや、でも、

消えてほしかったのは本当で

目の前からいなくなればいいと思っていたけど

それでも女々しく、

どこかで元気でいてくれたらって

そんな重い想いを

ジェイに背負わせようとしたのがいけなかったのかもしれない。

楽屋に戻ったジェイの手には

ヒラヒラと揺れるスカーフだけ。

あぁ、本当に。

壊れてなくなったんだ―――

「捨ててきちゃったよ？」

「あ、うん。ごめんね？世話掛けて。」

「いや、お役に立てたのなら。」

目も合わせずに言葉をつないで、その場はそれでおしまい

で、良かったのに。

「本当にこれで良かった？」

ジェイがそんな事を聞いてくるから、

顔を上げてジェイの目を見ると

「……ごめん、堪えきれない……。」

そう言ってジェイは俯いてしまった。

つい、

可笑しくなって声が出る。

「……に笑ってんだよっ。」

「ごめんごめん(笑)色んな意味でごめんなさいね。」

弱い俺の代わりに頑張ってくれたんだね。

ジェイも辛くなっちゃったんだね、ごめんね。

こんな俺で、ごめんね。