・25 ジェイ ページ26
ポォーーンッ―――
と、響き渡る重たい音。
割れたのかどうかも分からないおかしな音に、気持ちが着いて行かなくて。
隣にいたニノのほうを見ると
ただぼんやりとした様子で、ずっと下を眺めてた。
その姿をみて、酷い罪悪感に胸がキリキリ痛む。
大切なものだったんだよね？
だけど切り捨てたかったんだよね？
これで本当にスッキリした？
余計に胸がざわつく？
ニノが顔をあげて、俺のほうを見た。
胸がキリキリ。
酷い罪悪感に顔が歪んでしまいそうだ。
艶っぽい瞳がゆらっと揺れて
視線は床に落ちて、鼻で「ふっ」と笑う。
「ビックリしたー。」
そう言ってニノが口元に手をあてふふふっと笑う。
「スッキリした？」
俺の言葉を聞いてニノがこっちを見る。
口角をあげて「うん。」と言って見せるけど、ほんとかな。
「行って来るね。」
ニノの頭をぽんぽんと撫でて
俺は楽屋を出た。
もっと掛ける言葉はあったはずだけど
なんでかうまく声にならなかった。
落とした場所に到着すると
アスファルトの上で大人しく待っていたスカーフの先端が
パタパタと風にたなびいて揺れていた。
拾い上げると、ミルクボトルがスカーフの中で2つに割れているのが分かった。
さすがに粉々にはならないか。
ニノがいる楽屋の窓を見上げたけど
窓はしっかり閉められていた。
俺は屋内に引っ込んで
一番最初に目に付いた自販機の
かん・びんって並んでおいてあるゴミ箱の
びんて書いてあるほうのゴミ箱の蓋をあけて
スカーフの結び目を解いて
割れたミルクボトルをその中へ……
カチャンッ
と高い音をたてたミルクボトルは
他の瓶に混じって
ただのゴミになったんだ。
リーダーが癒しの対象で
相葉くんが元気の源で
翔さんが同志なら
俺はなんだろう？
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2014年9月9日 16時
