～箱庭～ワタシとアイツのその頃【N.K】 (ページ15)

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目が覚めた時にはもう、ベッドには俺１人だった。

時刻を確認すればまだ朝の5時半を過ぎたところで、

さとみちゃんが夜中のうちに帰ったのか、朝方帰ったのか……それさえ分からなかった。

さとみちゃんが来る前は、眠れない夜になるかななんて思ってたから、

熟睡したんだなと思ったらちょっと失笑もんだった。

そして後腐れもなくいつの間にか退席しててくれるんだから、すっげ大人な感じ。

いや、こんな経験初めてだからさ、

本当に！

多分「ありがとう」とか「ごめんね」とか

この件に関して、口に出すのもメールするのもやめておいた方がいい。

そう思ったとおり、その後の仕事で顔を合わせても

さとみちゃんは顔色1つ変えずに「おはよう、今日も頑張ろうね」って声を掛けてくるんだから

俺も何事もなかったかのように「はい、ヨロシクです。」って笑って言う事が出来るんだ。

本当は自分の事を慰めたい、なんて言うのはきっと口実。

俺をその気にさせる為についてくれたウソだと思う、でも

ことが済んでしまった今、さとみちゃんはどんな気分なんだろう？

後悔したりしていないだろうか？

そう思ってしまうと、俺のほうがやってしまった事を少し後悔してしまって。

自分の弱さがイヤになる、ヘドが出る。

最悪だ

時間が経つにつれて、自責の念がふつふつと湧き上がって

結果俺は慰められるどころか、酷く悩まされる事になった。

身体を捧げてくれたさとみちゃんにも

もう会えるはずもないアイツにも

罪悪感ばかりが募る。