～箱庭～ワタシとアイツのその頃【N.K】 (ページ12)

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部屋に帰ると、すぐにシャワーを浴びた。

気持ちが洗い流せるわけないのは分かってるけど

ずいぶん長い事、頭からシャワーをかぶっていた気がする。

バチバチ頭に当たる感じって、気持ち良いよね。

ボタボタ流れていく水って、気持ち良いよね。お湯だけど。

感傷に浸りつくしても、なかなかHPが回復しない。

バスルームを出て、身体を拭いて、パンツ穿いて、

目の前に引っかかってたバスローブをとりあえず羽織ってベッドにダイブした。

未だに好きなの？俺。

そもそも、好きって感情なの？

ただ、知りたかっただけかもしれない。

外に出て、俺に会いに来られるのかどうか。

来なかったから、まだ病んでるのかもって思ったら

ほったらかしにしてしまった罪悪感とか

置き去りにしてきた後悔が、頭の中を駆け巡るんだ。

このまま眠れたらいいやと思いながら目をつぶろうとした時、部屋のドアホンが鳴った。

よねちゃん……明日の予定はもう確認したでしょうよ……

のそのそと立ち上がってドアスコープを覗き込んだ先にいたのは

よねじゃなくて、さとみちゃんだった。

「えぇっ！？」

慌ててドアを開けると、さとみちゃんも慌てて俺の部屋の中に滑り込みドアを閉めた。

「……セーフ！誰にも会わずに来られたっ♪」

「いや何で？何しに来たの！」

さとみちゃんがニッコリ笑って俺を見上げる。

てかこの人、風呂入ってきただろ……すっげ良い匂いするぞ……