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「やっぱりうまっ！チョコフォンデュ最高！」
「あーやばい、チョコと苺の相性はマジで抜群だね！」
「チョコとバナナもなかなかの相性だけど。」
「チョコにとっては、苺とバナナ、どっちが本命だろうな？」
ぶふっ、っとわたしが吹き出すと、櫻井もぶははっ、と笑った。
ソファにもたれてゲームをしていた弟のケータイがバイブして、
弟は液晶を覗き込んだかと思うと、そのままリビングを出て行った。
「……女か？」
「女かもな。」
そう言いながらもぐもぐしていると、いつのまにか苺は最後の1つになっていて
それを櫻井が素早く自分のフォンデュ用フォークで突き刺した。
「あぁ！最後の1個がぁ！」
「ふはははは！早い者勝ちとは昔から言ったものだな！てめぇはバナナでも食ってろ！」
「ふん、チョコにとっての本命はバナナですから！喜んで頂くっつーの！」
「なんだとっ！？この短時間でチョコとバナナはいつの間にそこまで距離を詰めたの！？」
櫻井がチョコレートポットの中に、苺を沈める。
櫻井とわたしが苺を食べる時の鉄則。
「ヘタ側から先に食べる」
チョコレートにまみれた苺を、櫻井はでっかい口を開けてヘタ側からかじり付いた。
「あぁ〜最後の苺ぉ〜。」
「憎まれ口を叩いておいて…(もぐもぐ)…苺への未練タラタラじゃないか。」
櫻井が口の周りのチョコを舌で舐めとり、下半分だけ残った苺にまたチョコレートを潜らせると
「ほら。」
と言って、わたしの口元に食べかけの苺を差し出してきて
開いたわたしの口の中に、チョコレートがたくさん絡みついた一番美味しい部分を押し込んだ。
「……うま。」
「ははは♪」
わたしがもぐもぐと頬張る姿を、片方の口角だけくいっとあげて見てる櫻井を見て
最後の一口が特別に甘くて、美味しくて
「櫻井に恋しちゃってるなぁ、あたし」っていっぱいいっぱい自覚した。
やっぱりチョコレートの本命は、苺だよね？
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作成日時：2014年8月29日 22時
