トモダチ／コイビト【S.S】 (ページ24)

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「あれは、そうやって言って競ってた人たちが勝手に……

でもあたしの友達も、本当は翔君の事が好きって子いっぱいいて、妬みもあったから、

だから、話しを合わせるしかなかったの。翔君より、友達をとったの！」

ちょっとだけドラマチックな状況で、

櫻井の横にいるわたしだけ浮いてるような気がして

それに、何だか胸が痛い。

泣くほど好きだったちか子先輩の、

弁解を聞いた櫻井はどうするんだろう。

ちか子先輩のほうを振り向いた櫻井は笑いながら言った。

「すっきりした？」

冷たいような、優しいような櫻井の言葉を聞いて

ちか子先輩は何とも言えない表情を見せると

「うん、すっきりした。」と返事をした。

「んじゃ。」

櫻井は、

手を振ることも笑う事もなく、きびすを返して歩き出す。

わたしは、ただそれに着いて歩く事しか出来ない。

ひたすらに、ただひたすらに黙々と歩き続ける櫻井。

わたしは掛ける言葉が見つからなくて櫻井に合わせて歩いていたけど、

突然立ち止まった櫻井が、いきなりあああーーー！と奇声を発して、

わたしも、驚いて歩くのをやめた。