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彼女が、固まってる。
本日何度目かの、フリーズ。
Aさん、いま……
って！！
あっ！！
「勘違いしないでよ、女だったら誰でも連れ込むとかじゃなくて、Aさんだからそうしようとしたってだけで、別に……」
べつに……
って……それ思いっきり……
あ……くそ……なんで……
「なんでここで……こんなこと告白させられなきゃならないんだ……」
組み立ててきた全てが今、音を立てて崩れていった。
俺のしてきた事、なんだったの？
あの時感じた感情は、何だったんだよ。
騙し続けた俺の心が可哀想すぎないか？
お前をいたぶるのが気持ちよくなっちゃってる俺
どうすりゃいいんだよ！
しかもこんな、必死んなって
もっとあるだろ、シチュエーション。
「嫌いじゃないんですか……？」
いまの聞いたら分かるだろ……
「……連れ込もうとして、それっきりですか？」
……はっ！？
嫌いじゃないんですか、ああ良かった……
あたしてっきり……
嬉しいです、櫻井さんに、嫌われてなくて……
だってあたし、ほんとは、櫻井さんのこと……
とかいう
そういう可愛い展開でくるかと思いきや
彼女は眉間に皺を寄せ
奥手な俺を非難するかのような驚愕の目でこっちを見ていて
落胆にも似た声色で……
ふざけんなよ、おまえ……
心外だ、マジで
小悪魔じゃなくて、悪魔だろ。
・
・
・
……もう、知らない。
A「なんのアプローチも、なしですか……」
じゃぁ、覚悟しろ
翔「……だって君は、俺のこと嫌いだろ？」
A「嫌いじゃないです。嫌いなのは櫻井さんのほうです。」
だってそんな目で、俺を見るんだから
翔「嫌いじゃないってば……」
求めるような、そんな目で
俺のしてきたこと全部、
A「あたしが嫌いなんじゃなくて、櫻井さんがあたしのことを」
翔「好きだよ」
全部、無駄にするんだから。
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2016年7月19日 0時
