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Aさんから受け取った資料を掴んで、そのまま現場に向かおうとする雅紀。
「相葉さんだけじゃ不安なので」と、後を着いて行くニノ。
事務所には、俺と智くんが残った。
俺は無意識に頭をもたげ、大きく息を吐いていた。
智「落ち込むくらいなら、イジめなきゃいいのに」
智君にそう言われて、もたげた頭をもっと下げて、デスクに投げ出した腕に乗せる。
思いっきり脱力して、正面の智君を眺めた。
落ち込んでなんかいない。
彼女をイジめて喜ぶ自分の恐ろしい性癖に嫌気がさしたとこ……
って落ち込んでんのか？
翔「ははっ。別に……落ち込んでねぇよ？」
智「翔くんは下手だねぇ。優しくするのが。」
翔「……別に、優しくしたいなんて思ってねぇし。」
智「意地っ張りだなぁ。」
翔「意地も張ってねぇ。」
智「だから代わりにイジめんの？」
翔「……」
智「せいぜいイジめてよ。かわりに俺が優しくするから。」
翔「……」
なんだよそれ。
智「ほら、怒った(笑)」
翔「はっ！？怒ってねぇし！！」
智「翔くん変なの〜(笑)」
翔「なにが……」
智「それが快感になる前にやめなね？」
翔「かっ……」
妙な指摘を受けて、顔をあげる。
智「あ、もうなっちゃってる？」
翔「まっ……」
智「だからかぁ……」
翔「はっ！？つか何の話しっ！？」
智君の話しは、自分の中で完結させてる場合が多くて
吐き出される言葉は先を行き過ぎてて何言ってんだかわかんねんだよっ！！
智「翔くん、あんまり自分のことイジめんな、ってはなしっ。」
翔「はぁ〜？？Aさんのことイジめんなって話しじゃねぇの？」
智「んふふ」
……なんか、なんとも心地悪い感じがしたんだ、この時。
色々と悟られてるような気もするし、
なんだか智くんが脅威のような気もしたし……
だけど、
なんだか和まされたような気もして、変な感じだった。
それからの智君に変わったところはなかったけど
俺がAさんをイジめていると……
やさしーーーい顔して俺を見てる智君を見つけたりして、
やっぱり心地悪かったりするんだけど……
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2016年7月19日 0時
