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A「次から気をつけます、すいませんでした」
そう言って頭を下げる彼女を見て
次があると思ってるから適当な事が出来るんだよとか
そもそも作業自体のミスがなければこんな話しも必要ないとか
次々と言える酷い言葉はたくさんあったけど、
泣くまでやったら、それこそ「鬼」だ。
要点以外のことで責め立てるのも、お門違いだ……
そうしたらもう何も言えなくなって
俺は無言でその場を、離れた。
頭の中、ぐるぐるする。
足早に事務所に戻って、中にいるニノを見つける。
てか何でお前現場監督のくせに俺のあと付いて来てねぇんだよっ！
お前が傍にいたらその場でフォローできただろ！
翔「二宮」
和也「はいはい」
翔「現場出てきて」
和也「はーい」
ニノはすくっと立ち上がってすたすた歩いて出て行くけど
「なんで？」とか聞いてこない時点で
もう全部を、分かってるよね、お前。
はぁーーーー。
いいよ、別に。
これが俺の役目だって、分かってる。
そして役目は、1つでいい。
あとのフォローは、別の誰かがすればいい……
はぁーーーーー。
後味、わるっ！
・
定時間際に事務所に戻ってきたニノ。
首筋を撫でて気だるそうに帰ってくる。
視線を送ると、何も言わないのに「大丈夫ですよ」と一言
ぼすっと椅子に腰を落とす。
和也「今日は定時で帰れって言っといた。」
翔「……うん」
和也「俺も謝られたけど、まぁ、うんて返事しといた。」
翔「……そ」
和也「翔ちゃん鬼だよねー怖いよねーって言っといた。」
翔「んふふ」
和也「あの人ここに来る前、鬼ヶ島で働いてたらしいよって言ったらウケてた。」
翔「ぷはっ！(笑)」
バカ、あんまり絡むなよって言いたかったのに
ヤバイ、ウケる。
鬼ヶ島て！
てか誰が鬼だ！
ったく……俺が鬼なら誰が桃太郎だよ、智君あたりか？
となるとニノが犬。雅紀が猿で、松本がキジだな。
ヤバイ、完璧な配役じゃね？
って俺、鬼で確定かよっ！！
ってなんの話しだよっ！！
和也「あんなり絡むなって？」
ニノの言った鬼ヶ島にウケてる最中だってのに
ニノは俺の心を読んだみたいに、そんな言葉を口にする。
和也「分かってるよ。翔ちゃんのしたこと無駄にしてない。」
翔「……」
俺は、なんにも言ってないのに
現場に出て、としか言わなかったのに
コイツは、なんで……
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2016年7月19日 0時
