7時はご飯の時間です。～5つの微糖～【S.S】 (ページ5)

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潤「うるっせーよオマエ喋ってねぇで手ぇ動かせっ！」

「えええ～？運んでるしぃ～～～」

お昼過ぎ。

事務所の横の搬入口で、よく見かける光景に少し、笑いそうになる。

「マッサンも早く運んでよ～いつまでも紙見てないで～！」

潤「仕事してんだよバーカ！いいから早く運べって！」

「えええ～～～？もお～～～」

潤君は、ここ以外にもある別の工場とここを繋ぐパイプ役。

外から運ばれてきた製品の搬入中、

荷物を運び入れる作業員の女の子と、いつもキャイキャイ言い合っていて

女の子達は、いつも楽しそう。

事務所の中にいる時とは違って少し雑な口調で

女の子達を雑に扱う潤君のやりかたは

当の女の子達のウケは良いみたい。

あたしがまだここに来たばっかりの頃

あえてそういう方法で、上手に付き合ってるんだなって思っていた。

事務所の中では冷静に淡々と話すけど

事務所を出れば眉間に皺を寄せて、女子達からのキャーキャーを適当にあしらいながら

文句と一緒に仕事して、っていうのは

そういうスタイルなんだと思っていたんだけど、

実はそうじゃないと知ったのは、ここで働き始めて半年が経った真冬の頃。

あの日あたしはお昼休憩が終わった後、自分のデスクでぼんやり書類を眺めていた。

和也「だから冬はダメなんだよね。カチカチんなっちゃってすぐ壊れる。」

翔「劣化が進むってこと？」

和也「単純に寒くて固まっちゃってるだけじゃない？」

翔「それで保温庫ってことね……」

和也「夏になれば今度は別のヤツで、熱のせいで柔らかくなっちゃって扱いにくいってのも出てくるよ。」

翔「Ｂの238ね。てことは夏になったら保冷に切り替え可能なヤツか……」

和也「で、考えといたほうがいいっすよね。」

ニノさんは手の中で、壊れた部品を弄んでいて

櫻井さんは資料を眺めて、指で机をとんとんと叩いていた。

その時の潤君はあたしの隣でなにか打ち込み作業をしていて

書類とパソコンの液晶を行ったりきたりしながら、キーボードを叩いていた。

とそこで、櫻井さんの「松本」の声。

潤君は仕事を続けたまま「はい？」と返事だけをする。

翔「第三のところでもＮＳの130Ｒって使ってるだろ？」

潤「使ってます」

第三……は、別の工場のこと。

そこがやってる仕事はこことそんなに変わらないらしいけど

ここより大きな製品を作ってるとかなんとか。