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今の今まで、気まずくてカチカチだった空気が
一気にほどけて時間が動く。
櫻井さんは相葉ちゃんのために自販機の前を譲ると
小銭を握っていた手をまたポケットに戻す。
相葉ちゃんもポケットを……
A「待って！相葉ちゃん！」
雅紀「ん？」
くるっと振り向いた相葉ちゃんに、
「相葉ちゃんはコレ」
はいどーぞ、とハワイアンを差し出す。
雅紀「いいの？」
A「うん、あたし一口飲んだけど」
雅紀「サンキュー」
相葉ちゃんはあたしから受け取った缶コーヒーに口をつけて
そのままグイッと首を上へ傾けて飲みながら
のしのしと事務所に帰って行った。
相葉ちゃんが疲れたときに飲むのはハワイアン。
「異国情緒に気分がほぐれるよね〜」とのことです(笑)
よし、順調に缶コーヒーが売れてるぞ。
残り3つになった缶コーヒーをしげしげと眺めていると……
櫻井さんの……見つめる、視線……
こ、こんどは、なんですか……
翔「ああ、もしかして付き合ってんのは雅紀だった？」
A「違います！付き合ってません！」
翔「……あそう」
A「……」
なんなのこのやりとりはっ！？
「翔ちゃーーーん」
と、
今度は背中に、ニノさんの声。
振り返ると智君と一緒に部品棚から帰ってくるところだった。
ゆっくり大きくぶんぶんと振り上げられる手に
櫻井さんの「おーーーう」と間延びした返事。
和也「めずらし。Aと休憩？」
翔「ちげーわ」
うわ即答〜〜〜
そして心底嫌そうな顔〜〜〜
智「Aはなにやってんの？」
A「あ、1本いかがですか？飲み比べが終わったところです」
智「んふふ、何それ？(笑)」
笑いながら少し身を屈めて
缶を覗き込む智君に合わせて
ニノさんも身を屈めて、缶を覗き込む。
和也「また下らないことしてんの？」
A「またってなんですかっ」
和也「どーうせ比べたって明日には忘れるくせに」
A「そんなことないですー！意地悪言う人にはあげませんよー！」
和也「つーかお前飲んでるんでしょ、コレ」
あ、やっぱ気になる？と思った時には
智君とニノさんは同時に別々の缶を手にとって
「「ごちそーさーん」」と声を揃えていた。
智くんはキリマンジャロ
ニノさんはトリプルブレンド
2人は同時に、口を付けた。
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2016年6月18日 23時
