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相葉ちゃんが出勤してきたのはいつも通りの8時25分だった。
その頃にはもう事務所は全員揃っていて、
いつも通りの相葉ちゃんにそれぞれが口々に挨拶をする。
とりあえず良かった……
今日の鍵のこと……
知ってるのは智君だけ。
智君には怒られなかったし、何事もなく済みそう。
相葉ちゃんはデスクに鞄を置くと、ふーっと息を吐いて
あたしの「おはようございます」に「おはよ」と返事をする。
バッチリ、オッケーでしたよ！の意味をこめてニコーと笑ってみせると、
相葉ちゃんもニッコリ笑って……
通じたのかな、と思ったら相葉ちゃんは
「ごめんね、朝、先に行かせちゃって」なんて言葉を口にするもんだから
あたしは固まった。
……事務所の中も、全員、固まる。
そ、
そ、
そんなこと、言ったら……
あたしが鍵持ってたこと
バレちゃうじゃんかぁ〜〜〜！！
目を見開いて、動揺した頭で事務所内を見渡す。
事務所のみんなはきょとんとしたような、顔で、
こっち、見て、る……
相葉ちゃんに向き直ると
相葉ちゃんのハテナ顔……からの、
ふすっと笑った顔は、人差し指を口元にあてがうと
「しーっ」と言って、席についた……
いやもう遅いですけど！？
そう思った時に「相葉ちゃん」って呼んだ声は、智君の声……
雅紀「はいっ？」
智「昨日途中だったヤツ、どうする〜？」
雅紀「あ、結局そのまんまにして帰っちゃった！俺やるよ！」
智「あ〜いいよそのままなら。俺やる〜」
雅紀「ほんと？ごめんね！アリガト！」
そのまま事務所の中の空気が、いつも通りに動き出した……
はああああ〜〜〜〜
よかったぁぁぁぁぁ
智君のおかげで誰からも何も追及されずに済んだ……
ホッと胸を撫で下ろして、椅子に座りなおすと
始業のチャイムが鳴って
「朝礼〜〜〜〜」の櫻井さんの声が響く。
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2016年6月18日 23時
