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とりあえず、ははっと笑ってジェノベーゼのパスタに手を伸ばした。
なんなんだろう、この連鎖は。
なんだか、今週は……
変だ……よね？
そ、っか……
気付けばずっと、誰かと食事してる……
智君から、始まって……
変な、流れが……
潤「聞こえてる？」
A「はいっ！？」
潤君の声にパスタから視線をあげると
潤君は眉尻を下げて笑ってる。
潤「適当に言ってると思ってる？」
A「あ、いや……」
潤「じゃぁちゃんと言うけど、俺、」
A「あぁあぁぁあちょっと待って！」
両手で待ったの合図をして手を伸ばしてから
右手でフォークを握ったままだと気付いて
慌てて手を引っ込めた。
じゃぁ、ちゃんと、
あとに続く言葉って、
それって………
なんで急に、
みんな……
突然、
昨日の相葉ちゃんとのやりとりを思い出した。
”俺の好きな子、泣かさないでって、言いたい”
”酔ってなきゃこんな事も言えない男なんて頼りない？”
それから、ニノさんと
”いいんだよ、俺を頼りにして。もっと甘えて、助けてって言っていい”
”俺も全力で支えるから”
智君の、ことも
”えぇー……甘えればいいじゃんか”
”仕事終わりにAとメシ食ってるあの時間、俺いちばん幸せなの”
思い出した言葉のどれもが
「変な流れ」と言ってしまっては申し訳ないほど
温かくて優しくて、
逞しくて、真剣で。
心地良くて、切なくて。
だからこそ、潤君の言葉も、きっと
適当じゃないって、
潤「ダメかぁ」
A「え？」
考えあぐねるあたしの耳に、潤君の吐息交じりの声が届く。
潤「分かってはいたんだけどね。」
A「潤君……」
潤「Aさんがあんなこと言うから、ついね。」
じょーだんだよっ♪ってにひっと歯を見せて笑う潤君は
ジェノベーゼのパスタに、手を伸ばした。
どうして何も言えないの？
どうしてあたしは、
誰の言葉にも、きちんとした言葉を返せないんだろう。
あたしは、
あたしは……
A「潤君」
パスタを咀嚼しながら「ん？」と返事をした潤君が顔をあげる。
A「あたし、潤君のこと、好きです。大切な仲間として。大好きです。」
潤「うん、俺も。Aさんのこと好きだよ。」
そう言いながらも、ぽやっとした後の切なげな表情の潤君に、胸が痛んだ。
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2016年6月18日 23時
