7時はご飯の時間です。～5つの微糖～【S.S】 (ページ12)

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あれ以来、潤君と一緒に工場見学へは行ってない。

「ちゃんと仕事しろぉーーーっっ！」

「冷たい目で見るなこのやろぉーーーっっ！！」

「イイ年した大人がふざけてんじゃねぇーーーよっ！」

「もっと愛ある叱咤にしてよぉーーーっ！」

「ちょっと待って何それ？(笑)」

2人で愚痴を吐き出しあった最初で最後の工場見学(？)は、

すごくスッキリして、気持ちよかった。

その時抱えたモヤモヤは晴れてなくなって

ひきずることもなかったし、

もちろんその後、第三にも行きましたよ？

定時ギリギリに「遅くなりました」と言って帰って着ても

櫻井さんは「遅い」なんて言って

怒るようなことはなくて

潤君と2人で、こっそり顔を見合わせて笑ったっけ。

荷物の搬入をしながら女の子と言い合いになってる潤君に

「第三の工場長から電話がありましたよ、あとで折り返してください」と伝えて

すぐにその場を離れようとすると

「あ、Aさん！」と呼び止められる。

振り返ると、

「ペンとってきてくんない？デスクに置いてきた」と潤君は顔をしかめて、

潤君と一緒に搬入作業をしているクッキーさん(菊池さん)が

「持ってるよ～？ボールペン」と言って胸ポケットから自分のペンを差し出した。

潤「ちげーんだよハンコがいるの！」

「はぁ～？じゃぁなんでペン頼むわけ？」

潤「ペンの頭にハンコ付いてんだよいちいちうるせーなぁー！」

「だったら忘れた時くらい手でサイン書けばぁ～？！」

またキャイキャイと言い合いが始まる中、あたしは足早に事務所へ……

ああいうやりとり、イイ感じに掛け合いが成立してる気がするんだけどな(笑)

潤君のデスクを覗けば、ツヤツヤしたブラウンのネームペンが

さっきまでデスクの上で使われていたであろう形跡を残したまま置いてあった。

それを掴んで搬入口へ向かえば、二人はまだ何か話してる。

でも今度は穏やかに、顔には笑みも乗せている。