96話 勉強会？ ページ9
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「〜〜♪」
「……」
「……」
「ふんふーん♪もっとーひびーかせーてー♪」
「相葉、うるさい」
シャーペン2本をスティックに見立てて、歌いながらテーブルを叩く相葉くんに
ノートに視線をおいたまま声をあげたのは由里子だった。
「相葉くん、どこが分かんないの？」
わたしがそう訊ねると
「……あのね、どこがとかじゃないんだよ、全部なんだから」
そう言って相葉くんがシャーペンをテーブルに投げた。
「なんでお前自身が呆れ顔なんだよ」
「その顔するの、こっちサイドなんですよね」
「もーだって呆れるよ！呆れたよ俺は！」
「呆れたってか、飽きたんでしょ？」
「そうだよ！」
「まだ30分も経ってないんだなぁ……」
「休憩しよう、休憩！おやつの時間！」
「始まる前にもう駄菓子食いつくしてんだよなぁ相葉くん」
だいたい、真面目に勉強が出来るなんて誰も思ってない。
勉強3、遊びが7って
もうわたしも由里子も風間くんも分かっていて
それでもとりあえず相葉くんには、真面目な態度を示しているのは、
そうでないと本当に端から相葉くんは勉強しないから。
「あれやらない？いっせーの、いちぃーってやつ」
「勝負事するからには何かを賭けないと」
「じゃぁ自分の駄菓子を献上する！」
「だからお前さっき食いつくしてただろ！」
「俺は負けないもん、貰う計算だもん」
「うわ……」
由里子と風間くんが顔を見合わせて笑う。
「相葉、あんたが負けたらパンツ脱がしたるわ」
「へっ！？ヨッシー何でそんなヤクザみたいなこと言うの！？」
「ヤクザってパンツ脱がすっけ！？」
もぉ、
相葉くんが騒ぎ出すと漫才が始まるから、
おかしくってしょうがない。
わたしは３人を眺めて笑う係。
「だって脱がした俺のパンツ、売りに出すんでしょぉー」
「は？」
「お前の使用済みパンツなんか売れねーよ！」
「女子高生じゃないんだから」
風間くんの最後のセリフに
この場の全員、わたしたち３人が固まって
一斉に風間くんを凝視。
「ん？なに？」
風間くんの爽やかな笑顔が眩しいです。
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2015年10月7日 0時
