父と、結婚指輪と、私。【N.K】 3 (ページ19)

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106話　嫉妬の矛先ページ19

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風間くんの、みんなとは違う、という声が

わたしの胸のど真ん中に、すとんと落ちてきた。

そしてその瞬間に浮かぶのは、和くんの顔。

そうか

風間くんは……

何だかんだ相葉君と仲が良い

由里子に嫉妬しているんだ……

「どうりで、風間くんは安心感があると思った」

「あ、安心感？」

「なんか……大人で、落ち着いてて、傍にいても危険じゃないというか……」

「危険？」

風間くんが、ふふっと笑う。

うまくは言えないけど、うん、一番うまく言える言葉が

ホントに「安心感」て言葉なの。

どこかで、少し似たような空気を感じていて、

それが今、なんとなく、でも明確に

分かったような、そんな気分。

風間くんが、また優しい声で話し始める。

「それに気付いたと同時にね、これは表に出しちゃいけないって、悟ったしね。

そしたら自ずと……同世代の子に比べたら、はしゃげない自分がいたしね、

父さんが再婚した女性に、なぜか嫌悪感ばっかり沸くしね、連れ子の女の子も……

俺に向けてくるキラキラした目が……気持ち悪いと思ったりね……」

自嘲気味に笑う風間くんに付き合って、わたしも笑う。

そしてまた、少しの沈黙が訪れる。

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