27話 掃除と片付け ページ28
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ウチの正面にある町一番の立派な屋敷。
それが原田家で、じぃとばぁの家だった。
物心ついた時から2人は傍にいて、
わたしをたくさん可愛がってくれた。
誰も使わなくなった原田家の2階の空き部屋は、
お盆のちょっと前と、お正月のちょっと前に、
わたしと、父と、智子ちゃんとじぃで
掃除と片付けをするのが決まりだった。
ばぁは、お昼ごはんにって
味噌汁と、おにぎりと、漬物を用意して、
夜になれば、智子ちゃんとばぁで
豪華な夕飯を用意してくれて、
それをみんなで囲んで食べて……
「あぁーーー疲れた。明日筋肉痛だよこれ」
「明日筋肉痛がくるってんならそりゃええなぁ」
「なに、ジジィは3日後に筋肉痛だって？」
「いや、明日にはくるな。お迎えが」
「そっちかよ！やべぇーのきちゃうじゃん！」
和くんはお腹を抱えて笑う。
「何がやべぇー、だ！何なんだその喋り方は！」
「え、何で急に怒りだすわけ？」
怒るじぃを見ても
和くんは楽しそうに笑っていて。
いつも和くんと原田のじぃは、
いがみ合っているようで、許していて、
ケンカばかりしているようで、楽しそうだった。
わたしから見ても、
二人はまるで親友のようで、
そしてそんな二人を見つめて優しく微笑むばぁと一緒に
和くんとじぃのやりとりを眺めているのが、
わたしはたまらなく好きだった。
・
「ったく、盆の掃除前に死にやがって……
迎えが来るなら掃除が終わってからにしろっての、なぁ？」
ぼろぼろに泣くわたしを抱きしめた和くんが、
そんな憎まれ口を叩いた。
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2015年5月8日 2時
