12話 庭のプール ページ13
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お盆の時にだけ登場する、滑り台付きの巨大プール！
これが好きだからわたしはお盆が好きなんだ。
朝早くから、和くんが組み立てと水張りをしてくれて、
庭にパラソルと、椅子と、テーブルと……
「おい、誰だ、ここにスイカ入れたの」
「あらぁ、だめ〜？」
「ダメに決まってんでしょうよ！子供達に破壊されるの目に見えてるから！」
まん丸のスイカを抱えて、
和くんが縁側から中へ入っていく姿を見て
アイツよりスイカのがでかいんじゃね？って、潤くんが笑っていた。
「それとねぇ、じゃじゃーーーん」
スイカを台所に戻して帰ってきた和くんが、
襖の向こうに隠していた紙袋を取り出して、その中身を出してくれると、
「わー！水鉄砲だ！」
「いっぱいある！」
トリガーを引くと中がピカピカと光る、
色とりどりの水鉄砲がいくつも入っていた。
「プールの水が温まるまで、それで遊んでな」
そう言って腰に手を当てて、
縁側から庭を眺めてる和くんにも水鉄砲をひとつ渡すと
「俺もやんの！？」
苦笑いで縁側から庭へ下りて来てくれた。
「ぶっ！やべ！水、つめてぇー！！
てか俺ばっかり狙ってんじゃねぇーよ！！」
数人の友達と、わたしと和くんとで、
ゲラゲラ笑いながら水鉄砲を打ち合って
服がびしょびしょになったら負けっていう、
びしょびしょの定義と負けたときの罰が存在しないゲームに興じた。
いつも、誰よりも大人びて見える和くんが
この時ばかりは子供みたいに、
キラキラ笑って駆け回っていたような気がする。
そんな和くんを見て、大人達が
「あんなにはしゃいで……」
「本当に、子供なのねぇ」
なんて、微笑ましいと言った様子で
こっちを眺めていた事は知らないけど。
「ほんとうに、子供だわのぅ」
杖に両手を置いて、
大股開いて縁側に腰掛ける原田のじぃがそう言うと、
和くんは、じぃ目掛けて水鉄砲を発射させた。
「ぬるあぁぁ！何するんじゃい！」
「選手交代〜潤〜」
怒って、濡れた胸元を気にするじぃを無視して、
和くんは水鉄砲を
部屋にいた潤くんに手渡すと、
自分は、じぃの隣に腰掛けた。
・
※水鉄砲で遊ぶエピソードを
ポヨリン様から頂きました。 Thank you!!
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2015年5月8日 2時
