10話 枕を並べて ページ11
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side潤
風呂からあがった子供2人の頭を
タオルでガシガシ拭いているのは和也。
自分の娘に
「俺以外の男に素っ裸見せない約束破りやがって」
なんて、
本気で言ってるように見えるから
やめろよな、親バカ。
あ、そうか。
和也が俺よりずっと大人に見えるのは
和也がもう、人の親、だからか……
妙に納得して、事の成り行きを縁側から見守っていると
敷き詰められた布団に招かれた和也が
子供2人に圧し掛かられている。
「潤！助けてー！」
笑いながらそう言う声に反応して、俺も応戦。
お母さん方に、いいからもう寝なさい！と叱られるまで
和也と、俺と、原田んところの息子と、和也の娘とで
散々プロレスごっこをして遊んで、
ごろりと寝転び枕に頭を乗せれば、
縁側から見える星に降られた。
「綺麗だ」
「都会っ子は星、見たことないのか」
「ここまでのやつはね、ない」
プロレスごっこの興奮冷めやらぬ子供達は、
まだ寝るわけじゃない俺と和也に挟まれながら
楽しそうに布団の上をころころ転がっていたのに、
原田の息子は、俺にピッタリ寄り添って、
いつのまにか寝息を立てている。
「おまえは眠くないの？」
和也にそう問い掛けられて、
娘は「んんー……」と目を擦ると
「何かお話ししてよ」と、
ニッコリ笑って和也を見た。
「おはなしぃ？」
「戦争のはなしはもういいよ」
「俺が語れるのそれくらいしかねぇんだけどな」
……小さい子になんちゅー話ししてんの。
しかも寝る前に。
「じゃぁ、この町の話ししてあげる。
天野町の天邪鬼って、潤、知ってる？」
突然、俺の方へ言葉が飛んできて
うつ伏せになって枕に預けていた顔を
俺は勢い良く起こした。
すると和也は、くすくすと笑って、
それから、ゆっくりと話しをし始めた。
・
※星を見ながら布団の中でお話しを聞くエピソードを
和真様から頂きました。 Thank you!!
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2015年5月8日 2時
