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翔「ぶはははははは！」
可笑しくなって派手に笑っている間に、彼女の両手は逃げていく。
あぁっ、もう行っちゃうの……
由希「ママ照れてるー♪」
翔「照れてるー♪」
由希ちゃんが茶化すのにすかさず同調すると、
うううるさいな！と言って、俺が膝を叩かれた。
翔「痛ぁっ!?俺ぇっ!?」
俺の反応を見て由希ちゃんが大きな声で笑う。
そう、
俺がまた触れたかったものが、今ここにある。
この感じ。
包み込まれるような温かさと優しさで
自然と顔が緩む。
翔「また友達になってくれる？」
A「やだ！茶化す人とは友達しないです！」
相変わらず顔を逸らしたまま彼女が言った。
翔「ぶふふっ(笑)友達しない(笑)」
A「もぉ喋んないでよおぉぉっ!!」
彼女はぷりぷりしながら、出てけと言わんばかりに俺をめいっぱいタクシーのドアに押し付けた。
翔「ふはははは！ごめんって！」
と、突然彼女が冷静になり、ふぅと息を吐いて真剣な顔つきをした。
A「もう、子供じゃないんだからこんな事で照れないで下さい。」
翔「……それAさんが言うのーーーー(笑)」
今度こそお腹を抱えて爆笑している俺を見て、
最後には彼女もぷふっと吹き出した。
・
翔「このまま2人を駅まで。」
レストランに到着すると、俺は運転手にここまでの料金と
ここから駅までの料金を支払って、運転手に2人を託した。
A「え、駅すぐそこだから……」
翔「いいから！ここまで付き合わせちゃったし。
駅まですぐそこなんだから逆に払わせて？(笑)」
そう言うとAさんは笑ってお礼を言ってくれた。
翔「ねぇ、もうさん付けやめていい？」
A「えっ？」
翔「Aちゃんて、呼んでいい？」
タクシーのドアが開き俺は車から降りると、振り返って彼女の返事を待った。
A「うん、いいよ。……翔くん。」
彼女は初めて会ったあの日と同じように、ふんわりと優しく笑った。
だけどあの時よりも、俺たちの距離、確実に縮まってるよね？
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2015年2月23日 17時
