温かい家～sweet home～【S.S】 (ページ43)

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翔「もしもし、Aさん？」

A『あ、もしもし？』

電話を切ってからまだ5分と経っていないうちに、

またAさんに電話を掛けている俺。

翔「さっきの話しなんだけど、どうしてもダメかな？」

A『あぁ……』

翔「来てほしいんだ。」

よくよく考えてみると

友達の誕生会にどうしても来てほしがる俺って何なんだろう(笑)

翔「誕生会って言ってもかしこまったものじゃないし、友達も知らない人もわんさか来てさ、

　お店貸しきってみんな適当にふらふら酒飲んだり飯食ったりしてるだけなの。

　誰が主役なのかも分からないくらいだと思うんだ(笑)」

そういえばさっきはきちんとその日の説明もしないで電話を切った。

なんて余裕のない男なんだ(笑)

でも早速また掛けなおしてしつこく誘う男なんて、本当に余裕のない男だよ。

A『ふふふ。』

電話の向こうの彼女が何故か笑った。

翔「来ない？」

A『たつくんも行くんですよね？じゃぁ、ちょっとだけ顔を出す程度に伺おうかな。』

翔「あ、ほんと！？」

A『はい(笑)』

この時の俺はどんな顔をしていたんだろう。

ふと隣にいた辰実のほうを向くと、

アイツ俺のことすげー見てた、含み笑いをしながら……