温かい家～sweet home～【S.S】 (ページ41)

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辰「早速電話してみるわ。」

翔「はっ！？」

しばらくソファの上で笑い転げていた辰実が、

やっと治まったと思ったらいきなりそんな事を言い出した。

翔「ちょちょちょちょっと待って！俺の目の前で！？明日にしてよ！」

もうすでに掛けようとしている手に掴みかかってスマホを取り上げようとするが、

床に座っている俺に対してソファに腰掛けている辰実が手を上にあげてしまっては

俺はスマホには手が届かなかった。

翔「やめてー！！本当にやめてー！！俺死んじゃうー！！」

辰実の隣のソファに身を乗り出して、本気で辰実に掴みかかる。

辰「分かった！分かったから！！あぶねーから離れろよ！！(笑)」

そう言われて、ぎゅむっと音を立てながらソファに腰を下ろすと

A『なんだか楽しそうねー？』

辰実のスマホから声が聞こえてきた。

もう繋がってるじゃねぇーかよばかやろぉぉぉーーー！！！！

辰「自分で話せば？」

うおおおおおおおお

心の準備も出来ていないまま、スマホをずいっと突きつけられる。

辰実……お前絶対許さねぇーからな……おいニタニタしてんじゃねえええよおおお！！！

意を決してスマホを耳に押し当てた。

翔「あ、Aさんでいらっしゃいますか？夜分遅くに申し訳ありません、

　わたくし櫻井翔と申しますー、先日は大変お世話になりましたー。」

A『あ、こちらこそ、お世話になりました。』

……ダメじゃん。

こんな硬い話し方したらダメじゃんっ！！

相手も硬くなるに決まってるじゃんっ！！

緊張しすぎてつい仕事モードになってしまった何やってるんだ俺ぇぇぇぇ

翔「あっはっは！あのさあ！今度俺の友達の誕生会があってね！？

　いっぱい人を呼びたいって言うから辰実も誘ったんだけどさぁ！

　来るっていうから、もしよかったらAさんも来ませんかっ？」

結局辰実をだしに使う俺。

てか辰実、お前腹抱えて丸くなって笑ってんじゃねぇよ……

A『あぁー、やめておきます。』

そして断られるという……

翔「え、イヤですか？」

A『うーん、由希もいるし、知らない人はあまり得意ではないし……』

翔「あー、そっかぁ……でも、由希ちゃんいても全然大丈夫だよ？」

A『うーん、でも……やめておきます。』