温かい家～sweet home～【S.S】 (ページ5)

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第2話　温かい家01 ページ5

ピン、ポーン

チャイムが鳴ると、物凄い勢いでドタドタと玄関に走り寄る足音が聞こえ

そして勢いよく玄関の戸が開く。

由希「たーくん！」

出て来たのは小さな女の子だった。

さっき言っていた、由希ちゃん？

辰「由希！久しぶり。」

由希「ひさしぶりーーー！」

女の子と視線を合わせると、辰実はその子とアツイ抱擁を交わす。

そんな姿を、あぁ微笑ましい、と思いながら眺めていると、

A「いらっしゃい。」

と、声が振ってきた。

顔をあげて前を見れば、そこには1人の女性が立っていた。

立ち尽くしていた俺と目が合うと、

その女性はふんわり笑って「こんにちは」と挨拶をする。

俺がそれに答えようとした瞬間、

少女を抱いた辰実が勢いよく立ち上がって

俺の前に立ちふさがるような格好になり、

自然と俺は後ずさり。

翔「おいおい遮るなよ今のタイミングで！(笑)」

辰「あー悪い。とりあえず早く入ろう、寒い。」

抱き上げた少女を玄関口で下ろすと辰実は靴をぬぎ始め

女性も「どうぞどうぞ、入って！」と言ってスリッパを出してくれる。

翔「お邪魔します。今日は突然押しかけてしまってすみません。失礼します。」

軽く頭を下げて俺も靴をぬぎ始めると、目の前の女性は

A「全然全然！人が増えて嬉しいです。」

そう言ってまたふんわりと笑った。