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翔「ということで辰実、行くよね？」
辰「行かないです。」
翔「ウソでしょっ！？」
大学時代の友人から電話をもらったその日のうちに、俺は辰実の家を訪れていた。
翔「なんでー！行こうよー！」
辰「何で俺が面識のないお前の友達の誕生日を祝ってやらなきゃいけないんだ。」
翔「いや誕生日は名前だけで実際はただの飲み会なんだって！女の子も来るからー！」
辰「女の子は別にいいけど……誕生日プレゼントとか用意しなくていいなら行く。」
翔「やったー！」
俺が両手を広げて喜ぶと、相変わらずパソコンに目線を注いだままで会話をしていた辰実が
珍しく椅子から下りてソファにもたれ掛かった。
辰「どうしてそんなに来てほしいの？」
翔「え？」
辰「必死になって誘うから。何かあんの？」
そう言いながら手を差し出してくるので、俺はテーブルの上のビールの缶を辰実に手渡す。
翔「ん、いや、別に必死こいてねぇよーう？」
ずずっと音を立ててビールを飲んだ俺に辰実が言った。
辰「Aも誘えって？」
翔「ぶっっ！！！！」
口の中のビールが勢いよく吹き出た。
辰「やっぱりそういうことなの。」
翔「いやあのー……なんかこうなるとおかしいよね。
何かまるでさ、俺がお前をだしに使ったみたいに見えちゃうじゃん？」
辰「違うの？」
翔「いや違うくてねっ！？」
あまり辰実には遠まわしな言い方は通用しない。
すぐに先回りして返事をされてしまうので、こっちが変に恥をかくだけだ。
翔「まぁー……ほら、Aさんも独身だし？要は合コン？立食形式だけど。
友達の輪を広げましょーじゃないけど……ほら、良い出会いがあれば、ねっ！！」
辰実が何も言わずにただじっと俺を見つめてくる。
翔「やめてー！見ないデー！！」
俺はテーブルに突っ伏した。
辰「素直に言いなよ。別にその飲み会じゃなくたってA呼ぶよ？」
翔「いや、ダメだ！」
俺は身体を勢いよく起こすと手のひらをビシッと辰実の方へ突き出した。
翔「あらたまっては恥ずかしい！！」
俺がきっぱりと白状すると、
辰「ぷはっ！」
辰実が珍しく声をあげて笑った。(てか超爆笑してるんですけどー)
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2015年2月23日 17時
