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08 失敗の裏側1 ページ37
＜辰実side>
翔が席をたった後から、Aはまだ一言も口を聞いていない。
頬杖をつき、両手で口元を覆うような姿勢のせいのままで、表情はよく分からない。
辰「なに怒ってんの？」
A「へっ？」
口元は覆われたままなので、くぐもった声のままAが返事をした。
A「怒ってるようにみえる？」
辰「まぁ。」
俺が短く返事をすると、一拍おいてAが、
口元を覆っていた両手で今度は顔全体を覆ってしまった。
A「怒ってないよー。」
くぐもった声で彼女がそう言う。
辰「……勘ぐり過ぎだよ。」
俺がAにそう言うと、Aの耳がどんどん赤くなっていくのが見えた。
A「なんでー？別に……」
ずるずると、テーブルに突っ伏すような形になだれ込む。
A「……あたしの心読むのやめてよ！！」
テーブルの下で、Aが足をばたつかせていた。
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作者名：あひる x他1人
作成日時：2015年2月23日 17時
